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side 幸久
「ちゃんと気づいとった」あの人は…先生は俺にはっきりそう言った。ちゃんと俺が先生の運命の番だ、ってわかってたからあんなことしたんだ、って。俺のことちゃんと好きだって。
「…俺、もう会えないかもしれないって諦めてた」「俺もや。大事な宝を手放してもた、て」先生が俺に歩み寄る。「こんなんとこで抱きしめるわけにはいかんから」と代わりに頭を撫でてくれる。「幸久、また会えてよかった。もう離せへんよ。ホンマに…ホンマに俺でええんか」俺はしっかり頷いて聞いた。
「先生は俺がクラスにいること知ってたんですよね?」「せやな」「…どう思った?」「正直驚いたわ。どないしよかと思た」「…嫌でしたか?会わないままの方が良かった…?」「ちゃうよ。やっぱり運命なんや、て。せやけど教師と生徒や、どないしよ、て」そうだ。俺達は教師と生徒。だけど「それでも俺は先生が好きだから」「俺かて同じや…あかんわ、幸久」キョロキョロと周りを見回した先生が「ちょっとだけな」と掠めるようなキスをくれた。
「ちゃんと気づいとった」あの人は…先生は俺にはっきりそう言った。ちゃんと俺が先生の運命の番だ、ってわかってたからあんなことしたんだ、って。俺のことちゃんと好きだって。
「…俺、もう会えないかもしれないって諦めてた」「俺もや。大事な宝を手放してもた、て」先生が俺に歩み寄る。「こんなんとこで抱きしめるわけにはいかんから」と代わりに頭を撫でてくれる。「幸久、また会えてよかった。もう離せへんよ。ホンマに…ホンマに俺でええんか」俺はしっかり頷いて聞いた。
「先生は俺がクラスにいること知ってたんですよね?」「せやな」「…どう思った?」「正直驚いたわ。どないしよかと思た」「…嫌でしたか?会わないままの方が良かった…?」「ちゃうよ。やっぱり運命なんや、て。せやけど教師と生徒や、どないしよ、て」そうだ。俺達は教師と生徒。だけど「それでも俺は先生が好きだから」「俺かて同じや…あかんわ、幸久」キョロキョロと周りを見回した先生が「ちょっとだけな」と掠めるようなキスをくれた。
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