Promised Happiness

3. フレンド

3-7 称号

「設定を開いてください」設定画面はどんなに近くにいても他人が見ることは出来ない。目の前に浮かんでいるようでいて、実のところは“目の前にある”と脳が認識させられているだけなのだ。「“称号”をタッチして」「あ！」「お！」２人は揃って声を上げた。

「【認識阻害解除】お二人はＩＤ交換無しでの解除の１番乗りですよ。これは【パブリックタイトル】の１番乗りでもあります。職業別の称号【ジョブタイトル】もありますが、そちらは既に獲得された方がおられます。そしてまたもうひとつ【地護取得】が加わりましたでしょう？」「マールすごい！」「すごいのはティエラやろ」「称号はたくさんあればあるほど幸運を呼びやすくなりますからね。ただ戦って先に進むことを目指すのではなく、いろいろな楽しみ方をなさってください。また初取得の方には特典が与えられますので、冒険の手助けになりますよ」

【認識阻害解除:親密度の上昇による阻害解除を果たすことで与えられる。特典として隠されたものに気づきやすくなる】
【地護取得:地護に気に入られることで与えられる。特典として運気上昇】

「ん？オレもうひとつあるみたいやけど」「あれ？僕も？」「え！何ですか？教えてください！」「「【のんびり】」」２人の声が揃った。

「…レッスンゾーンでのんびりなさったりしてました？」「えっと…マールと草むらに寝転んでお喋りしたよね」「したなぁ」「…それですよ。戦闘や生産をすることなく、食事でも睡眠でもなく、同じ場所で１時間を過ごした時に与えられる称号です。そんなところも地護に気に入られたのかもしれませんね」ギルド員は呆れた口調で言った。「僕たちが連れて行っちゃったらここの地護はいなくなってしまうでしょ？困りませんか？」「一定の時間がたてば新しい地護が生まれます。大丈夫ですよ、可愛がってあげてください」

【のんびり:特典として空腹度の減少が遅くなる】