確率は100

春夏

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13. 旅はつづく

お祖父様に報告

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「もう、ホント、ダメだからね」「シてええ、言うたやんか」「朝はダメって言ったでしょ!」「アンアンしとったやんか」「…もうクチきかない!」ヒカリと俺は馬車に揺られて甘い甘い口喧嘩。ヒカリの唇がギュッと閉じられて「黙っとっても可愛ええ…」舌でその輪郭を確かめるように舐めたら困ったように笑った。「…シキくん、俺、シキくんが大好きみたい」「そんなん最初から知っとったよ」開いた唇に舌を差し込んだ。

「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」執事さんに案内されたのはお祖父様の書斎。シキくんに続いて部屋に入る。「よく来た。無事に終えたそうだな。ご苦労だった」「はい。ヒカリががんばってくれました」うむ、と頷いたお祖父様が俺を手招きする。頭や腕を触られて「怪我もないようだ。無理をさせたな。辛くはないか」「大丈夫です。ご心配おかけしてすみません」「すまないなどと言うな。孫より可愛いヒカリのことじゃ。気が気ではなかったぞ」ガシガシと頭を撫でられて笑ってしまう。「…お祖父様、触りすぎです」「リュー、大人気ないことを言うでない。お前もよくやってくれた。ダンジョンがまた人を呼びアインネートを活気づけてくれるであろうよ。今夜は祝い膳じゃ、楽しみにしておれ」

お祖父様の言う通り、たくさんのご馳走で目が回りそう。料理長さんが「ヒカリ様のためにご用意いたしました。お気に召していただければよろしいのですが…」俺はウンウン頷いて「どれも美味しい!ありがとうございます!」嬉しそうに俺の頭に伸ばしかけた手を急に引っ込めた料理長さん。?…あ、シキくんが睨んでる。「申し訳ございません。あんまり可愛らしいのでつい…」「リュー、まったくお前というやつは…いつからそんなに嫉妬深くなったのか」「ヒカリは俺のや!」ご馳走がかすむくらいの大きな声でお祖父様が笑った。


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