確率は100

春夏

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12. 初めてのダンジョン

ダンジョンて不思議

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「ここまで急いできたのだ」「俺たちがきた時は地下4階だったんです。4階は行けなくなっちゃったけど…」「地下…」「はい。階段を降りました」ハハハ、と伯父様はいきなり笑い出した。「ダンジョンとは不思議なものだな。私たちは階段を上ってきたのだ。このフロアが7階だよ」「ウソだぁ…」俺と伯父様は声を合わせて笑った。「2人でなに楽しそうにしとんねん!」シキくんがヤキモチ丸出しで駆け寄って伯父様はまた大笑いした。シキくんに説明する。「ホンマどないなっとんねん…」「ね?不思議だね」「7階、てことはどこかで泊まったん?」「まぁ、強行軍でも構わなかったんだけれど…5階にゾーンがあったんだ」「は?」「このフロアにもゾーンがあるかもしれないよ。探してみよう」俺たちは本格的に探索を始めた。

すごい…シキくんと俺の出番は全くない。お父さんと伯父様は「兄上、どちらが多く倒すか勝負しましょう!」「受けてたとう。まだまだお前には負けん!」なんて言いながら楽しそう。結局シキくんは解体を、俺は地図を書いて出現した獣をメモする担当になった。「やはりここが最上階のようだな。このフロアにゾーンがあればちょうど良かろう。リュー、結界石はいくつある?」シキくんの4個とお父さんたちが持っていた8個。「これだけあれば造れそうだ」伯父上はそう言って「リュー、ここからここまでの木を倒してくれ」

頼まれたシキくんが頑張っているのを見ながら俺たちは優雅なお茶タイム。お父さんがマジックバッグから綺麗なカップを出してお茶を淹れてくれた。「うわぁ、いい香り!」「なして俺だけ!」「リューは行きに楽をしていたのだろう?力が余っているかと思ってな」そらそうやけど、なんてブツブツ言いながらもシキくんはしっかり働いた。「よし、リューもういいぞ。見物でもしておれ」伯父様は恐ろしいほどの炎を出して囲った土地を燃やし尽くした。かと思えば今度は大量の水を出して炎をすっかり消してしまった。「…すご…」「…これはヤバいやろ…」兄上さすがです、まだまだ腕はなまっておらん、なんて笑い合う2人を唖然と見つめ…俺は地図にゾーンと書き足した。
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