確率は100

11. いざアインネートへ

高校生でもダメです

そういえば俺もヒカリも元の世界でどんなふうに生きてきたのかあまり話したことがなかった。「ヒカリは高校生やったやろ？」「うん。男子校」「なんやて！まさか、付き合うとる奴がおったとか…」「いるわけないでしょ！あ、でも…」「でも、なんやの?!」「告白されたことなら何回か。でもみんな罰ゲームって言ってたよ」んなわけないやん。ありがちな言い訳やんか。「だからその後も普通に友達だったんだよ。カラオケ行ったりさー。あ、泊まりで海にも行ったっけ」海！泊まり！名も知らんソイツらのことが不憫で泣けてくるわ。きっとヒカリの歌聴いてエロ声想像したやろなぁ……海パンおっ勃てないよう必死やったやろ。まさか寝とるヒカリになにやら………許さへん！もう２度と会えへんのやろけど、もうヒカリは俺のや。残念やったな。

「シキくんは？サラリーマンだった？スーツだったもんね」「そやで。大学で東京に来てそのまま就職したんよ。俺は建築士やってん」「建築士？」「せや。家とか設計すんねん」「すごい！お仕事、好きだった？」やりがいのある仕事やった。まさかこんなことになるなんてなぁ…「せやな。でも今の方がええわ。ヒカリが居るし」唇をかすめとる。エヘヘ、と笑って「俺も」と応えた。「…恋人は？いたでしょ？」「あのころは居らんかったな。３年…４年くらいか、25くらいからは１人やった」「ウソでしょ！こんなカッコイイのに！」「ん？俺のことカッコイイ思うてくれとんの」「…あたりまえじゃん。あーあ、俺もっと早くシキくんに会いたかったなー。１人なんて寂しかったでしょ」「アホウ、そんときヒカリは小学生やんか。淫行で捕まるわ」「いんこう？」「こういうこと、子どもにしたらあかんやろ」かすめるだけではない、深い深いキス。「…高校生ならシてもいいの？」「…せやから今の方がええねん」昨日あんなにシたのになぁ…ホンマ、小学生のヒカリと出会わんでよかったわ。