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11. いざアインネートへ
侯爵家の馬車
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手紙の内容は簡単に言えば「ツヴァラスまで迎えに行く」っちゅうこと。そろそろ着くだろう、とギルドに手紙を出した、てことらしい。お祖父様の屋敷はアインネートの街から徒歩で1時間ほどの小高い丘にある。俺が伯父上に魔法を教わった屋敷や。それとは別にアインネートとツヴァラスの中間あたりに静養地を持っとって、客人のもてなしなんかはそこでするねん。俺も2度ほどパーティに連れて行かれたけど、湖のほとりの景色のええとこや。父ちゃんなんかは若い頃そこに入り浸っていたらしい。たまたまアインネートに来て母ちゃんを見つけた、いうわけやな。とにかくその静養地でゆっくりしてからアインネートの屋敷に来い、ということやった。「静養地には使用人だけだからヒカリにも気兼ねなく過ごしてほしい、やて」「シキくん行ったことある?」「おう。ええとこやで。王都の屋敷より大きいかな」「あれより大きいの?凄いね!」「明日、馬車を迎えに出す、ってさ」
オッチャンとリルさんは短い滞在を残念がったり、俺のお祖父様が侯爵でじいちゃんが商会長だということに驚いたり。「ここが俺の旅の始まりやねん。お二人はヒヨッコだった俺の最初の恩人や。どうしても2人にヒカリに会ってほしかったんよ。俺たちはあちこち旅をする予定やねんけど、アインネートに来る時はまた寄ってもええですか」もちろん、と2人は笑った。
翌日、ツヴァラスの門前に待っていたのは、さすが侯爵家、てな感じの馬車やった。「リュー様!大きくなられて…」子どもの頃に会ったことのある馬丁さんが様付けの挨拶をくれる。「様、なんか要らんよ。ヒカリ、行こか」目を丸くして馬車を見つめるオッチャンとリルさんに挨拶して馬車に乗り込んだ。さすが侯爵家、なのは見た目だけやなかった。乗り心地バツグンや。「これならヒカリの尻も大丈夫やな」「…こんな、貴族!って感じの馬車に乗って言う事がそれなの?」と冷たい目。その顔も可愛ええで、と言って尻を撫でたらその手を思い切り抓られた。
オッチャンとリルさんは短い滞在を残念がったり、俺のお祖父様が侯爵でじいちゃんが商会長だということに驚いたり。「ここが俺の旅の始まりやねん。お二人はヒヨッコだった俺の最初の恩人や。どうしても2人にヒカリに会ってほしかったんよ。俺たちはあちこち旅をする予定やねんけど、アインネートに来る時はまた寄ってもええですか」もちろん、と2人は笑った。
翌日、ツヴァラスの門前に待っていたのは、さすが侯爵家、てな感じの馬車やった。「リュー様!大きくなられて…」子どもの頃に会ったことのある馬丁さんが様付けの挨拶をくれる。「様、なんか要らんよ。ヒカリ、行こか」目を丸くして馬車を見つめるオッチャンとリルさんに挨拶して馬車に乗り込んだ。さすが侯爵家、なのは見た目だけやなかった。乗り心地バツグンや。「これならヒカリの尻も大丈夫やな」「…こんな、貴族!って感じの馬車に乗って言う事がそれなの?」と冷たい目。その顔も可愛ええで、と言って尻を撫でたらその手を思い切り抓られた。
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