確率は100

春夏

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11. いざアインネートへ

懐かしい話

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「宿に泊まるの初めて」「そういうたらそうやな。ずっと知り合いんとこ泊めてもろてたし」「ご飯はどうするの?」「下の食堂で食うねん。オッチャンの腕は確かや、美味いで」「うわー楽しみー、旅行みたい!」「今回の旅は宿はここだけやけど、次の旅でいろいろ泊まろな」「うん!」

「あのなぁヒカリ」「ん?」「ここは冒険者が泊まるとこや」「うん」「冒険者はなぁ、魔力使うやん?」「…うん…」「せやから夜になるとなぁ…」「もういい!わかった!」わかっとらんやろ。言うとかな。「ヒカリ、AVとかエロ動画とか見たことあるか?」「は?」「ないんか」「…ある、けど…」「あんあん言うとるやろ」「…」「あれがなぁ、そこら中から聞こえてくるんよ」「え!」「俺がいつも結界張るやんか」「うん…」「ここのオッチャンに教えてもろたんよ。結界張ったら周りの音は聞こえないし、周りにも聞かせないですむ、って。あの頃の俺には使えなくて毎晩タイヘンやったわ」

「…どうしてたの?」「右手が活躍しとったな」「ほんと?」「ホンマや。でな、アイツに…ヒカリに会えたら絶対誰にも聞かせたない、アイツの声は俺のもんや、て結界練習したんよ」「…今日もちゃんと張ってね」「お?シてもええん?」「じゃなくて!人のを聞くなんて…」「エロ動画の声とか興奮するやんか。興味ないんか」お、沸騰したような赤さ。これはホンマは聞いてみたいんちゃう。まだ思春期やもんなぁ。「夜が楽しみやな」「!バカ!変態!エッチ!」スケベ、バカ、と繰り返すヒカリはやっぱり可愛ええ。
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