確率は100

春夏

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11. いざアインネートへ

最初で最後

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「次はどこ?」「ツヴァラスやな。宿屋に住み込んで働いとったんよ。そこで簡単な料理とかも教えてもろてん。ま、俺は向こうでも結構作っとったけどな。調理器具とか違うやろ」「そっか、炊飯器とか無いもんね」「せやな。しかしこっちにも米があって良かったわ」「ねー!俺、ごはん大好きー」「ヒカリは食いしん坊やもんね」「あ!バカにしてる!俺、デブじゃない!」「そんなこと言うてへんやろ。そのままでちょうどええねん。抱き心地が最高や」「!もう!シキくんはすぐそんなことばっか!」「ホンマのことやし。最高やねん。ヒカリは?」「…俺はシキくんが初めてだもん…わかんないよ…」「最初で最後やろ」青空のもと、思考はすぐ夜にもっていかれる。ドライアで何があったのか、フィアナからずっとつきまとっていた不安が吹っ切れたように甘えるヒカリ。

「熊…でっか…」「手ェ出すなよ!」グリズリーは王都からアインネートの間に出没する獣の中では最もデカい。大剣にスイッチして走り寄りながら強めの炎をとばす。「シキくん!右!」ヒカリの叫び。グリズリーが2頭…キツいか…いや、弱気になるな、ヒカリが居んねん!勢いをつけて剣を振り下ろし首を落とす。もう1頭の爪が防具を引き裂き腹に痛みを感じる。「ヒーリング!」間髪入れず治癒をとばしてくれる。脚を切り飛ばし倒れたところにニードルを降らせ怯ませる。片脚のグリズリーは起き上がることもできず腕を振り回す。足側から頭側に回り込んで終了。ヒカリが駆け寄ってくる。

「大丈夫?!」「おう、すぐにヒーリングしてくれたからな。助かったわ。しかし、こらもうあかんかなぁ。ツヴァラスで防具買わな」「だね。ね、鹿も大きかったけど、熊もでっかい!」「グリズリーや。こいつは魔獣。ほら、魔石があるやろ」解体して取り出した魔石をヒカリの手にのせる。「重っ!これ、何に使うの?」「魔道具とかに使うらしいで。デカいからそれなりの値段で売れるやろ。防具もうちょいええやつ買うわ」2つの魔石を大事そうに持つヒカリを守り続けるためにも。
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