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11. いざアインネートへ
自分でやらなきゃ
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昨日なんとか作り上げた顔を教会に運ぶ。シキくんはおじいさんの分も持ってるんだから自分の分くらい自分で運ばなきゃ。シキくんに面倒だと思われるのが怖い。失い虫のことがあってから自分が不安定になってるのを感じる。毎日毎晩、あんなに愛を注いでくれるのに。愛されているとわかっているのに。「持てるか?持ったろか?」ほら、こうやって甘やかしてくれるのに。「…大丈夫、持てる。自分でできる」シキくんは少し眉をあげて「また不安になっとんのやろ。まだ足りひんかったか。まぁ俺の愛はいつも溢れとるからな、なんぼでも注いだるよ」と笑った。
結局みかねたおじいさんに片側を支えてもらって教会に運んだ。そこにはいっぱいの顔、顔、顔!「うわーっ、すごい!すごいいっぱい!」「夜のお祈りの時にまとめて燃やすんじゃ」「え?燃やしちゃうの?」お祭りの時は死者の魂が帰ってくるんだ、煙にのって天に還るんだよ、とおじいさんが教えてくれた。「ほな、今年の祭は燃やさんでもええんちゃう?」シキくんが意味ありげに俺を見た。「んー…頑張る!」セカンドはスモークで登場やな、なんて呑気なシキくん。俺の緊張が解れていく。
家に帰って農作業のお手伝い。ここぞとばかりにシキくんに力仕事を頼むおじいさん。俺は野菜を束ねたり個数を数えたりの簡単なお仕事。「この時期は忙しくてなぁ、2人が来てくれて助かったよ」「…俺も役にたってますか?」「もちろん。充分働いてくれてるよ。力仕事はリューに任せておけばいいさ。この作業だっていつもは退屈じゃがな、今日はこうして話しながらだ、楽しいよ。今夜はうちの自慢の野菜、たくさん食べておくれ」うん、と頷いて考える。シキくんにできること、俺のできること。シキくんは『側にいるだけでいい』っていつも言ってくれる。ほんとにそれでいいのかも。不安が消えていくような気がした。
結局みかねたおじいさんに片側を支えてもらって教会に運んだ。そこにはいっぱいの顔、顔、顔!「うわーっ、すごい!すごいいっぱい!」「夜のお祈りの時にまとめて燃やすんじゃ」「え?燃やしちゃうの?」お祭りの時は死者の魂が帰ってくるんだ、煙にのって天に還るんだよ、とおじいさんが教えてくれた。「ほな、今年の祭は燃やさんでもええんちゃう?」シキくんが意味ありげに俺を見た。「んー…頑張る!」セカンドはスモークで登場やな、なんて呑気なシキくん。俺の緊張が解れていく。
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