確率は100

11. いざアインネートへ

フィアナ到着

王都からアインネートを繋ぐ街道には滅多に強い獣が出ることはない。所々ゾーンがあるし冒険者や護衛を連れた商売人たちが便利に使っとる。徒歩で進んできた俺たちやけど、今日は折よく通りがかったフィアナの商人にヒカリを馬車に乗せてもろた。とても歩ける状態やなかってん。ついついお散歩のあとヤリすぎて奥の奥までこじ開けてしもた。「大丈夫、歩ける！」て頑固さを発揮しよったくせに、途中からはヒカリをおぶって歩っとった俺に「リューじゃないか！１人くらいなら乗れるよ」と声をかけてくれてん。見ればフィアナの薬屋の近所の小間物屋。１年居ったから何度か顔を合わせたことがある。転移してもよかったけれど、まだ１度の転移では着かへん距離や。今の俺では２度転移してもうたら魔力切れでヤバいことになりそうやったからありがたく受けた、っちゅうわけ。「久しぶりだなあ。元気だったか？」「おかげさんで。いやホンマ、助かりました」「薬屋に寄るんだろう？」「はい。あの人らも元気にしとるやろか」「もちろん。子どもも大きくなったぞ」なんて話してるうちに到着。

「ヒカリ、着いたで」馬車の荷台で眠りこけとるヒカリを起こし、道中狩った肉を渡して小間物屋に礼を言う。「大丈夫か？」「うん、もう平気。ありがとうございました」とりあえずギルドへ。その間に小間物屋が伝えてくれとったらしく、旦那が外に出て待っとってくれた。「リュー！久しぶり、さぁ入って入って」と促され中に入れば奥さんからも「元気だった？大きくなったんじゃない？」なんて声をかけられる。お、やっぱり。唇が尖っとる。可愛ええヤキモチ。「久しぶりやな。紹介するわ、俺の運命の相手や」「…ヒカリです。俺のシキくんがお世話になりました！」夫婦は顔を見合わせて、ニッコリと笑った。「よろしくね、ヒカリ君。フフ、リューの手紙に書いてあった通り」「シキくん？なんて書いたの？」「ハハハ、可愛いい可愛いいヤキモチ焼きを連れて行きます、って書いてあったよ」「！もう！シキくんは！」親の笑いにつられて子どもも笑てる。「うっわー！可愛いい！」ヒカリの機嫌もなおって、俺たちは再会を喜びあった。