129 / 195
10. 旅の始まり
自覚
しおりを挟む
出発を明日に控え、まずはギルドへ。書いておいた手紙を託す。「会うの楽しみ?」「せやなあ」お、ヤキモチかい。昨夜あんなに注ぎこんだのに、ホンマ可愛ええやっちゃ。「俺のシキくんがお世話になりました、って言わないと!」俺の、に力が入っとるな。その意味で世話になったんは薬屋の夫婦だけやけど、自分の知らない俺のことが気になってしゃあないんやろなぁ。
はあ、なんでこんなに可愛ええんやろ……向こうでも恋人が居ったことはある。ハタチをすぎて、自分が男しか好きになれないのだと認めた俺に男同士の恋愛の全てを教えてくれた年上の人。俺はあの人に可愛ええなんて言うたことがあったやろか…。男に抱かれ慣れた体に翻弄されるばかりやった。自分は執着しとるくせに執着されるのが面倒やった。あの人には俺はいろんな面で物足りなかったんやろな、3年ほどで簡単に捨てられた。それからは心がなくてもいい相手とだけ。…せや、初めてヒカリを見かけた夜もそんな相手に会いに行くところやったな。なんや気が削がれて右手で我慢したんやった。ヒカリの声を思い出しながら……は?
「シキくん?黙っちゃってどしたの?」「…いや…」気づいたんよ。最初の最初からヒカリを好きやったこと。不思議そうに覗き込むヒカリの丸い頭を撫でた。
はあ、なんでこんなに可愛ええんやろ……向こうでも恋人が居ったことはある。ハタチをすぎて、自分が男しか好きになれないのだと認めた俺に男同士の恋愛の全てを教えてくれた年上の人。俺はあの人に可愛ええなんて言うたことがあったやろか…。男に抱かれ慣れた体に翻弄されるばかりやった。自分は執着しとるくせに執着されるのが面倒やった。あの人には俺はいろんな面で物足りなかったんやろな、3年ほどで簡単に捨てられた。それからは心がなくてもいい相手とだけ。…せや、初めてヒカリを見かけた夜もそんな相手に会いに行くところやったな。なんや気が削がれて右手で我慢したんやった。ヒカリの声を思い出しながら……は?
「シキくん?黙っちゃってどしたの?」「…いや…」気づいたんよ。最初の最初からヒカリを好きやったこと。不思議そうに覗き込むヒカリの丸い頭を撫でた。
2
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
開発されに通院中
浅上秀
BL
医者×サラリーマン
体の不調を訴えて病院を訪れたサラリーマンの近藤猛。
そこで医者の真壁健太に患部を触られ感じてしまう。
さらなる快楽を求めて通院する近藤は日に日に真壁に調教されていく…。
開発し開発される二人の変化する関係の行く末はいかに?
本編完結
番外編あり
…
連載 BL
なお作者には専門知識等はございません。全てフィクションです。
※入院編に関して。
大腸検査は消化器科ですがフィクション上のご都合主義ということで大目に見ながらご覧ください。
…………
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
子悪党令息の息子として生まれました
菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!?
ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。
「お父様とお母様本当に仲がいいね」
「良すぎて目の毒だ」
ーーーーーーーーーーー
「僕達の子ども達本当に可愛い!!」
「ゆっくりと見守って上げよう」
偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる