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春夏

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9. Aランクになりたい

湧き出し

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「リュー!起きて!」まだ薄暗い早朝、カミナさんに叩き起こされる。「!なんやの…」「いいから早く!戦闘準備!」跳ね起きて「ヒカリ!」「起きてる!何があったの?!」「わからん。俺から離れるなや!」テントを飛び出す。「リュー君、ギルドから連絡が入った!この先で湧き出しが見つかったらしい。ギルドからも応援が向かってる。行けるか?」「湧き出し?なんやねん!」「魔力が溜まって魔獣が次々に生まれる場所のことよ。昨日からおかしかったでしょ?そのせいだわ」「それであんなに…変異体も…。おれは行ける、せやけどヒカリが…」そこに転移でギルド長が到着。「キールとリューは俺と先行!カミナはロールとヒカリを守ってついてこい!」「ヒカリ君、私たちは治癒師です。行けますね?」「うん!シキくんも皆も守る!」「よし、行くぞ!」俺たちは走り出した。

伐採地のすぐ先、まだ森の浅いところ。夜明けの中、魔獣が次から次へと湧き出しとるのが見える。「あそこだ!気を抜くな、やれ!」ギルド長の檄に俺とキールさんが剣を振るう。ギルド長の大剣がうなる。「どいて!」カミナさんが叫びデカい炎が魔獣たちを焦がす。「ヒカリは?!」「大丈夫!一緒!」少し離れたところにヒカリたち。「リュー!よそ見をするな!」「すまん!」と戦いに意識を戻し、また双剣を振り下ろす。キリがない。腕が重い。弱気になりかけた時、ヒカリが歌い出した。…体の疲れがとれとる?「…オールヒーリング…ヒカリ君、いつの間に…」キールさんが呟く。「助かった!いけるぞ!」とギルド長が叫ぶ。そこに湧き出たのは昨日の熊。「変異体!グァッ!」ギルド長が太い腕にふっとばされるが「はい!」とロールさんから治癒がとぶ。「クローズ!」カミナさんが熊に結界を張る。「すまん!ちっ、コアはどこだ?!」「コア?」足を止めずに尋ねれば「湧き出しには大元がいるはずなんだ。それを倒さないと収まらない」

「ヒカリ君!だめ!戻りなさい!」弾かれたように振り返る。「ヒカリ!」ふらふらと近づいてくる。焦点の合わない目…トランス!「ヒカリ、ヒカリ!」
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