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春夏

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9. Aランクになりたい

試験の準備

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ヒカリを連れて朝からギルドへ。「明日までに何かしとかなならんことあるやろか」キールさんに尋ねると「1泊の準備をしておくこと、としか説明できないんだよ。準備に不足があるかないか、それも採点するんだ」なるほど。そらそうや。「あとは依頼を受けておくこと。それも自分たちができるかどうかの見極めができているかの採点対象だよ。選んでおいで」たしかに無理して受けて失敗したら無駄足やもんな。ヒカリと依頼を選ぶ。

教会がヒカリの歌を依頼にしてくれたおかげで、明日からの探索でいくつかこなせばヒカリもEにあがることができそうや。「選んでみいや」俺は俺でBランク用の依頼を吟味する。「んー、これとぉ…これもできそう…あ、これ!」ヒカリが選んだのは薬草採集と討伐5体、そして適性魔法を使った援助?「なんやこれ。どこにあったん?」「ほら、こっち」ほう、魔術師専用板なんてあったんか。「ロールさんとギルドに来た時にね、治癒師なら常に受けておくといいですよ、って言われたの。パーティ以外の人に治癒魔法かければいいんだって。それに、誰にも会わないかもしれないから失敗にならないんだって言ってた」「そらええなぁ。受けといたらええよ」薬草はいけるやろ、討伐5体もファンドでいけるか?夜ちょっと歩けばええか。よし、2つは確実や。あとは俺の方。

キールさんに頼んで獣の分布図を見せてもらう。どこのギルドにも必ず用意されとんねん。記載されとらん獣に出くわした冒険者には報告が義務付けられ、分布図に書き足されるしくみや。1泊…朝のうちに外に出て翌日の日暮れまでに戻れる範囲。ヒカリが一緒やからそれほど遠くまでは行かれへん。討伐の依頼を確認しながらようやく決めた目的地はカミナさんと最後に泊まったゾーン。
そこなら俺が道中を知っとるし、距離的にもちょうどええ。慣れないヒカリをなるべく安全なところで休ませてやりたい。街道の側は森やから採集もできるし獣も居る。無理はせん。きっとパーティメンバーをカバーできとるかどうかも採点されるはずや。ソロやったら受けた依頼もあるけど、今回は無し。結局俺が選んだのも3つ。討伐20体、ちょいとわかりにくい上薬草の採集、そして木の伐採と1本の納品。この依頼はツイとった。目的地のゾーンをもう少し広げたいとかで、近くを伐採したいんやて。鍛冶屋に居った時、炉にくべる薪を何度とりにいったかわからへん。終いには大将に斧をもろたくらいや。それに納品、俺にはマジックバッグがある。1本ならいくつかに切り分ければ入るはずや。首尾よくでける組み合わせはこれしかない。
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