確率は100

春夏

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9. Aランクになりたい

筋トレが必要かも

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「杖を持っていると魔力の消費を軽減できます。魔術師にはカミナのように短剣を使える人もいるけれど、そうでなければたいてい杖ですね」「…これ、けっこう重いんですけど…」「フフ、ですね。ほら」袖をまくって見せてくれたのは顔に似合わないわりとしっかりした二の腕。「はぁー」筋トレか?筋トレが必要なのか?できるかな…「だんだん重くしていったんです。初めはこっち」別の杖を渡される。「あ、これなら大丈夫!」「軽いぶん威力も小さいですが、小さな獣であれば倒せます。治癒師に肝心なのは自分を守ってもらうこと。それが皆を守ることに繋がります」「そっか…シキくんが怪我しても俺が治せればまたシキくんが戦えるようになるんだもんね」「そういうことです。リュー君もヒカリ君に敵を近づけないようにするでしょう。自分から前に出てはいけません。後方で守られる、それが治癒師の戦い方です」

「基本は3つ。足を狙って転ばせる、胸を突いて遠ざける、頭を狙って振り下ろす」なのにぶん殴ってたの…?そのロールさん、ちょっと見てみたいな。うん、カッコいいかも。「好きなように振ってごらんなさい」えっと、足を狙うんだよね。なら下の方だ。子どものころ、回転するバットをジャンプで避けるやつ、友だちと遊んだっけ。当たるとけっこう痛いんだよね。少しかがんで床に平行になるように横に薙ぐ。「あら、なかなかいいですね」次は胸を突く、だよね。フェンシングみたいな感じ?あれを杖でやったら痛いだろうな。肘を後ろにひいてまっすぐ前に突き出す。「それでいいわ。ヒカリ君、体を動かすのが上手ね」学校で好きだったのは音楽と体育だけだったもんな。あ、給食も。で、あとは、頭に振り下ろす、か。じいちゃんちでやった餅つきみたいに。

「ヒカリ君、なかなかできていましたよ。ですが敵は動きますからね。振り下ろす時に胴を別の敵に狙われないとも限りません。油断はだめですよ」…そうだ。ちょっと調子にのっちゃった。油断大敵。
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