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8. ヒカリの魔法
歌え
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いつものように手を繋ぎヒカリを連れて教会へ。今日から魔法の指導が始まる。「シキくんが初めて使った魔法はなんだったの?」「炎やったな。ライターみたいなちっこいのが出たわ」「へぇー!あーあ、俺も魔法で敵とか倒してみたかったなー」「戦える魔法の適性がないもんな、残念やね。せやけどヒカリにはヒカリの戦い方があるやろ。教えてもらおな」「うん!」はい、今日も可愛ええ。いつでも可愛ええ。ヒカリに会えてから、俺の思考の半分くらいが"ヒカリが可愛ええ"になってもうてる気がする。しゃあないわな、可愛ええもん。
「いらっしゃい」ロールさんが出迎えてくれて司祭さんのもとへ。「やあ、待たせてすまなかった。なんとか仕事が終わったよ」「こちらこそお忙しいのにすみません」「いやいや、構わないよ。ところでヒカリ君、娘たちがね、君の歌は最高だ、また聴きたい、って」「そんな…嬉しいです」「私にも聴かせてくれないか?」戸惑うヒカリ。「俺も聴きたい。歌うてくれや」うん、と頷いて歌い出すヒカリ。初めて聴く歌や。力強く明日への希望を歌い上げる。「俺ね、この歌でデビューするはずだったんだ。路上で歌うのはダメって言われてたの」「そか…売れたやろになぁ。頑張ろ、って気になるわ」
「…ヒカリ君、君の歌には魔力が宿っているよ」「へ?」どういうこっちゃ。「間違いない。癒しの魔力があるね。今の歌でそこらのファンドなら浄化されるだろう」「…えぇー?!なんで?だって俺、歌っただけ…」「君の魔法の発動は歌うことなのかもしれない。別の歌も聴かせてもらえるかい?」ロールさんが言う。「それなら先日の愛の歌を聴かせてくれませんか?」ヒカリが歌い出す。俺が初めて聴いたのもこの歌やった。思わず立ち止まってもた失恋の歌。「やっぱり素敵ですね…」ホンマに。「エヘヘ、あのね、俺が最初に作った歌なんだ」「…好きな人おったん?」「違うよぅ、そういうマンガ読んだの。なんか感情移入しちゃって」焦った。ヒカリにそんな相手がおったんかな、て。「あの時、シキくん聴いてくれてたよね」「覚えててくれたん?」「もちろん!」「俺たちの出会いの歌やな」お?唇とがらせてキスしたい時の顔。家に帰ったらな、と囁くと照れて俯いた。
「やはり歌で発動するようだね。魂に共鳴してしまう、と言ったことを覚えているかい?君がそのマンガ?とやらに感情移入したのと同じようなものだ。君には悲しいことを悲しいままで終わらせない力がある。今の歌も辛い恋を経験して、それでも前を向こう、と思わせる歌だ。心に浮かぶままに歌え。それが君の魔法だよ」
「いらっしゃい」ロールさんが出迎えてくれて司祭さんのもとへ。「やあ、待たせてすまなかった。なんとか仕事が終わったよ」「こちらこそお忙しいのにすみません」「いやいや、構わないよ。ところでヒカリ君、娘たちがね、君の歌は最高だ、また聴きたい、って」「そんな…嬉しいです」「私にも聴かせてくれないか?」戸惑うヒカリ。「俺も聴きたい。歌うてくれや」うん、と頷いて歌い出すヒカリ。初めて聴く歌や。力強く明日への希望を歌い上げる。「俺ね、この歌でデビューするはずだったんだ。路上で歌うのはダメって言われてたの」「そか…売れたやろになぁ。頑張ろ、って気になるわ」
「…ヒカリ君、君の歌には魔力が宿っているよ」「へ?」どういうこっちゃ。「間違いない。癒しの魔力があるね。今の歌でそこらのファンドなら浄化されるだろう」「…えぇー?!なんで?だって俺、歌っただけ…」「君の魔法の発動は歌うことなのかもしれない。別の歌も聴かせてもらえるかい?」ロールさんが言う。「それなら先日の愛の歌を聴かせてくれませんか?」ヒカリが歌い出す。俺が初めて聴いたのもこの歌やった。思わず立ち止まってもた失恋の歌。「やっぱり素敵ですね…」ホンマに。「エヘヘ、あのね、俺が最初に作った歌なんだ」「…好きな人おったん?」「違うよぅ、そういうマンガ読んだの。なんか感情移入しちゃって」焦った。ヒカリにそんな相手がおったんかな、て。「あの時、シキくん聴いてくれてたよね」「覚えててくれたん?」「もちろん!」「俺たちの出会いの歌やな」お?唇とがらせてキスしたい時の顔。家に帰ったらな、と囁くと照れて俯いた。
「やはり歌で発動するようだね。魂に共鳴してしまう、と言ったことを覚えているかい?君がそのマンガ?とやらに感情移入したのと同じようなものだ。君には悲しいことを悲しいままで終わらせない力がある。今の歌も辛い恋を経験して、それでも前を向こう、と思わせる歌だ。心に浮かぶままに歌え。それが君の魔法だよ」
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