確率は100

春夏

文字の大きさ
上 下
56 / 195
7. 初めてのふたり

ヒカリの気持ち

しおりを挟む
目がトロンとしとる。「徹夜してしもたから眠いやろ。昼寝でもするか?」「…や…」「眠そうやで。ベッド行こか?」「……スして」ん?今なんて?「…キス、したい…だめ?」んなわけないやろ。一晩中我慢しとってんぞ!形のいい唇。優しく食めば「…おやすみのキスだ…」微笑みながら寝てもうた。疲れとったんやろな。ベッドに横たえ頬を撫でる。いろいろ考えとんのやろな…。それにしても癒しの力とは驚いた。ヒカリと2人で浄化の旅か…。誰の拘束を受けることもない。そりゃ教会やギルドからの指示はあるやろけど、ヒカリの力が悪用されることは避けられる。俺は旅や冒険の楽しさを知ってもうた。ヒカリにもこの楽しさを教えてやりたい。

実家に手紙を書く。運命の相手に会えたこと、しばらく王都で暮らす予定であること。ヒカリの側にいられる幸せを綴る。「…ん…寝ちゃった…」「おはよ」「シキくん…おはようのキスも…」これからは毎日したるよ。どんなことになろうと、ヒカリだけの俺で…俺だけのヒカリや。

ヒカリの服やらなんやら必要なものを買い出し。簡単な夕食を済ませ順にシャワーを浴びる。ベッドに腰かけ話し出すヒカリ。「あのね、シキくん…今日の話…」「ん。ヒカリの思うようにしたらええよ」「俺にできるのかな…」「ヒカリは元々そういう力を持っとったと思うねん」「え?」「お前の歌や。俺はいつも癒されとった。ヒカリの歌を聴いた日は気持ちよく寢れてん。せやからそれは杞憂やな」「きゆう?」「心配せんでええ、ってことや」「シキくん、俺の歌、好き?」「あたりまえやろ」「フフ、ありがと。……俺、やってみようかな」「…ん、そか」「一緒に行ってくれる?」「ハハ、それも杞憂やな」俺たちはどちらからともなくキスを交わした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】

彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。 「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」

職場で性的ないじめを受けていることをなかなか恋人に言えずに病んでしまう話

こじらせた処女
BL
社会人一年目の日野 敦(ひの あつ)。入社後半年が経った頃、同じ会社の先輩3人にレイプまがいのことをされ始めてしまう。同居人であり恋人でもある樹(いつき)にもなかなか言えないまま、その嫌がらせはエスカレートしていき…?

王子様のご帰還です

小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。 平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。 そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。 何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!? 異世界転移 王子×王子・・・? こちらは個人サイトからの再録になります。 十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。

【完結】【R18BL】男泣かせの名器くん、犬猿の仲に泣かされる

ちゃっぷす
BL
大企業本社に勤める月見里 斗真(やまなし とうま)は、二十八歳にして課長代理になった優秀なサラリーマン。 真面目で部下に優しいと評判の彼には、誰にも言えない秘密があった。 それは毎週金曜日の夜、ゲイ向けマッチングアプリで出会った男性と一回限りのワンナイトを楽しんでいることだ。 しかし、ある日マッチングした相手が、なんと同僚であり犬猿の仲である小鳥遊 弦(たかなし ゆずる)だった……! 最大の秘密を握った小鳥遊は、逃げようとする月見里をホテルに連れ込み――!? ※ご注意ください※ ※主人公貞操観念皆無※

俺をおもちゃにするなって!

丹砂 (あかさ)
BL
オレはチートクラスの大魔法使い! ……の弟子。 天は二物を与えずとは言うけど、才能と一緒にモラルを授かり損ねた師匠に振り回されて、毎日散々な目に遭わされている。 そんな師匠の最近のお気に入りは、性的玩具(玩具と言いつつ、もうそれ玩具の域じゃないよね!?)を開発する事、っていう才能のムダ使いだ。 オレ専用に開発されたそんな道具の実験から必死に逃げつつ捕まりつつ、お仕置きされつつ立ち直りつつ。いつか逃げ出してやる!と密かに企みながら必死に今日を暮らしている。 そんな毎日をちょっと抜粋した異世界BLのお話です。 ******************* 人格破綻系のチート × ちょろい苦労人 誰得?と思うぐらい特殊嗜好の塊です。 メインはエロでスパイス程度にストーリー(?)、いやそれよりも少ないかもしれません。 軽いノリで書いてるので、中身もいつもよりアホっぽいです。ぜひお気軽にお読み下さい。 ※一旦完結にしました。 ******************* S彼/SM/玩具/カテーテル/調教/言葉責め/尿道責め/膀胱責め/小スカ なおこちらは、上記傾向やプレイが含まれます。 ご注意をお願いします。

帝国皇子のお婿さんになりました

クリム
BL
 帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。  そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。 「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」 「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」 「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」 「うん、クーちゃん」 「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」  これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。

異世界召喚されたら神子の乳父になりました。もれなく国王の妃となる予定らしいです。

トモモト ヨシユキ
BL
異世界召喚されてしまい、突然、神子の乳父になることになった俺。 そんなの出るわけないじゃん! なんですと? 俺が発情しなきゃ、乳は、出ないんですと? エブリスタ、フジョッシー、ノベルアップにも掲載しています。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

処理中です...