44 / 195
6. 運命の相手
もっと知りたい
しおりを挟む
森の奥に入ってからはスコープに頼らなくても位置がわかるようになっていた。運命の相手は惹かれ合う、導かれるようにアイツの元にたどりつく。
「…やっと見つけた…」手足にはあちこち打ち身の跡。頬には小さな傷。精魂尽き果てた、という感じで木にもたれかかっとる。ごめんな、怖かったやろ。もっと早よ見つけてやりたかった。この傷、可愛ええ顔がだいなしや。「ごめん。こんなに遅くなってすまんかった」涙が溢れる。会えた喜び、怖い思いをさせてしまった後悔。愛しい愛しい、俺の運命の相手。震える手で抱きしめる。もう離さへん。「…大好き…」呟く声に応える。「俺も大好きや」
「…俺のこと、覚えてくれてましたか?」「あたりまえや。ずっと会いたかった。向こうの世界でできなかったこと、これから2人でしていこうな」「…本当に俺でいいんですか」「お前こそ、運命の相手が俺でホンマによかったんか」「神様に言われたんです。お互いに同じ想いを持ってる、って。だから同じ世界に転生させてもらった。あなたのことをもっと知りたい」「…俺もや。お前のことをもっと知りたい。ずっと一緒にいてくれるか」嬉しい、と微笑むえくぼをそっと撫でた。
「…やっと見つけた…」手足にはあちこち打ち身の跡。頬には小さな傷。精魂尽き果てた、という感じで木にもたれかかっとる。ごめんな、怖かったやろ。もっと早よ見つけてやりたかった。この傷、可愛ええ顔がだいなしや。「ごめん。こんなに遅くなってすまんかった」涙が溢れる。会えた喜び、怖い思いをさせてしまった後悔。愛しい愛しい、俺の運命の相手。震える手で抱きしめる。もう離さへん。「…大好き…」呟く声に応える。「俺も大好きや」
「…俺のこと、覚えてくれてましたか?」「あたりまえや。ずっと会いたかった。向こうの世界でできなかったこと、これから2人でしていこうな」「…本当に俺でいいんですか」「お前こそ、運命の相手が俺でホンマによかったんか」「神様に言われたんです。お互いに同じ想いを持ってる、って。だから同じ世界に転生させてもらった。あなたのことをもっと知りたい」「…俺もや。お前のことをもっと知りたい。ずっと一緒にいてくれるか」嬉しい、と微笑むえくぼをそっと撫でた。
17
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
余命僅かの悪役令息に転生したけど、攻略対象者達が何やら離してくれない
上総啓
BL
ある日トラックに轢かれて死んだ成瀬は、前世のめり込んでいたBLゲームの悪役令息フェリアルに転生した。
フェリアルはゲーム内の悪役として15歳で断罪される運命。
前世で周囲からの愛情に恵まれなかった成瀬は、今世でも誰にも愛されない事実に絶望し、転生直後にゲーム通りの人生を受け入れようと諦観する。
声すら発さず、家族に対しても無反応を貫き人形のように接するフェリアル。そんなフェリアルに周囲の過保護と溺愛は予想外に増していき、いつの間にかゲームのシナリオとズレた展開が巻き起こっていく。
気付けば兄達は勿論、妖艶な魔塔主や最恐の暗殺者、次期大公に皇太子…ゲームの攻略対象者達がフェリアルに執着するようになり…――?
周囲の愛に疎い悪役令息の無自覚総愛されライフ。
※最終的に固定カプ
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
子悪党令息の息子として生まれました
菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!?
ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。
「お父様とお母様本当に仲がいいね」
「良すぎて目の毒だ」
ーーーーーーーーーーー
「僕達の子ども達本当に可愛い!!」
「ゆっくりと見守って上げよう」
偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。
嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい
りまり
BL
僕のいる世界は男性でも妊娠することのできる世界で、僕の婚約者は公爵家の嫡男です。
この世界は魔法の使えるファンタジーのようなところでもちろん魔物もいれば妖精や精霊もいるんだ。
僕の婚約者はそれはそれは見目麗しい青年、それだけじゃなくすごく頭も良いし剣術に魔法になんでもそつなくこなせる凄い人でだからと言って平民を見下すことなくわからないところは教えてあげられる優しさを持っている。
本当に僕にはもったいない人なんだ。
どんなに努力しても成果が伴わない僕に呆れてしまったのか、最近は平民の中でも特に優秀な人と一緒にいる所を見るようになって、周りからもお似合いの夫婦だと言われるようになっていった。その一方で僕の評価はかなり厳しく彼が可哀そうだと言う声が聞こえてくるようにもなった。
彼から言われたわけでもないが、あの二人を見ていれば恋愛関係にあるのぐらいわかる。彼に迷惑をかけたくないので、卒業したら結婚する予定だったけど両親に今の状況を話て婚約を白紙にしてもらえるように頼んだ。
答えは聞かなくてもわかる婚約が解消され、僕は学校を卒業したら辺境伯にいる叔父の元に旅立つことになっている。
後少しだけあなたを……あなたの姿を目に焼き付けて辺境伯領に行きたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる