確率は100

６. 運命の相手

夜が来る

索敵の反応を頼りに走る。今夜は新月やから月明かりもない暗闇になってまう。夕闇のうちに見つけたい。やのに反応はだんだん街道を外れていく。なんやろ、まるで逃げとるような…！まさか何かに追われとんのか?!見つけたらな、早よ見つけたらな!!

…ここ、どこ？気がついたら森の中。異世界に神様が送ってくれた？…よりによって森って…。なんとなくだるい体。近くの木に寄りかかる。これからどうしよう。１人で暮らしていけるのかな。町とか近いといいけど。でも俺にできることなんかあるのかな。目を閉じていろんなことを考える。…あの人は本当にここにいるのかな…
俺は少し眠ってしまったようだ。空が薄暗くなってる。こんなところで夜を過ごすなんて無理だ。でもどっちに行けばいいんだろう。…考えてたってわからないよな、とにかくこの森を出なくちゃ。とりあえず右に進む。大きな根に足をとられないように気をつけて。下ばかり見てたら枝にぶつかる。あぁもう！ホント俺って何もできない。情けなくて涙が出る。座り込みたい気持ちをなんとか抑えてまた歩き出す。…まずい、だんだん暗くなってきてる。夜になっちゃ、！え？なにか俺に触った？なに、なんなの?!ヤバい、逃げなきゃ…恐怖で足が竦む。動け、頼む、動いて俺の足！闇雲に走り出した俺は森の奥に進んでいることに全く気づいていなかった。

誰か、誰か助けて！お願い、俺に気づいて！