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王都はすぐそこ
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俺の手には新しい双剣。「餞別だ。俺がくたばる前にまた来い。大剣を特注できるくらいに強くなって帰ってこいよ」そっけなく手を振って家に戻る大将の背中に頭を下げ続けた。
「そろそろ行こうか。いい経験ができたみたいね」「…おう、身に余るモンもらってもうたわ」「使いこなしてこその剣だよ」「わかっとる!待たせてすまんかった。ギルドには昨日挨拶行ったし用事は終いや。さぁ行こか!」
「王都はもうすぐよ。5日も歩けば到着するわ」「ホンマ時間かかってもうたわ。アインネートを出た時はまっすぐ馬車で行くはずやったのに」「まさかヒュンに2年半もいるとはね」「おぅ、大将とはウマが合ったんやろな」「知らないうちに薬屋の夫婦に会いに行ってたりするし」「やって、赤ん坊生まれた、って連絡くれてんもん。会いたいやんか」「…会っただけなの?」答えに詰まる。「…いや、ほら、1人旅の練習やんか」「着くまでに魔力使ったんでしょ」「すんません。ガッツリ回復させてもらいました」「途中のゾーンでリューの修業の成果、たっぷり堪能させてもらうからね」「カミナさんとも4年の付き合いか、ホンマいつまでもエロいネーちゃんやで」「リューは子どもだったのにねぇ。いつの間にか身長も抜かれてたし…まぁ最初からアレは大人顔負けだったけど」「そっちの上達も確かめとるやんか」「フフフ、そうね。…リューとの旅は王都までの約束だよね。アタシに教えられることは全部教えたつもり。最後の1つが転移魔法」「せやった!それ、どないなってん?何度見てもさっぱりわからへん」「体験してみる?」「ええの?!」「どこか行ってみたいところあるかしら」行きたいとこ…せや、「ドライア!野菜買いに行こうや」カミナさんは目を丸くして「ほんと、リューって最高!野菜って…アハハハハ!」ちっ、笑われてもうたわ。「よし、じゃ掴まってて。ムーブ!」体が浮いたと思ったら、落下しとる夢を見た時のような気分の悪さ。やけどそれも一瞬やった。目の前にはドライアの門。「…ヤバい…」「どう?初めはちょっと怖いよね」「…おぅ…」頭を振って意識をはっきりさせる。「大丈夫や、ホンマすごいわ。さすがカミナさんや」ぎょうさん野菜を買ってまた転移。まだ違和感あるけど1度めよりマシやな。これも慣れなんやろ。
「どないしてやるん?」「そうね、始めは見えてるところに移ることからよ。自分がそこにいることを思い浮かべるの。例えばあの木の下、自分がそこに立っている」そう言うとカミナさんはもう木の下に立っとった。「やってごらん」カミナさんが大声で言う。よし、俺はいま、あの木の下に、カミナさんの横に立っとる。ほら、あそこに俺が居る。「ムーブ!」きた!さっきの感覚や!
「初めてでそこまでできれば上出来よ。そんなに落ち込むことないってば」結局俺は木にたどり着くまでに3回転移を掛けることになったうえに、魔力を使い果たしカミナさんにしゃぶってもらうハメになったのだった。
「そろそろ行こうか。いい経験ができたみたいね」「…おう、身に余るモンもらってもうたわ」「使いこなしてこその剣だよ」「わかっとる!待たせてすまんかった。ギルドには昨日挨拶行ったし用事は終いや。さぁ行こか!」
「王都はもうすぐよ。5日も歩けば到着するわ」「ホンマ時間かかってもうたわ。アインネートを出た時はまっすぐ馬車で行くはずやったのに」「まさかヒュンに2年半もいるとはね」「おぅ、大将とはウマが合ったんやろな」「知らないうちに薬屋の夫婦に会いに行ってたりするし」「やって、赤ん坊生まれた、って連絡くれてんもん。会いたいやんか」「…会っただけなの?」答えに詰まる。「…いや、ほら、1人旅の練習やんか」「着くまでに魔力使ったんでしょ」「すんません。ガッツリ回復させてもらいました」「途中のゾーンでリューの修業の成果、たっぷり堪能させてもらうからね」「カミナさんとも4年の付き合いか、ホンマいつまでもエロいネーちゃんやで」「リューは子どもだったのにねぇ。いつの間にか身長も抜かれてたし…まぁ最初からアレは大人顔負けだったけど」「そっちの上達も確かめとるやんか」「フフフ、そうね。…リューとの旅は王都までの約束だよね。アタシに教えられることは全部教えたつもり。最後の1つが転移魔法」「せやった!それ、どないなってん?何度見てもさっぱりわからへん」「体験してみる?」「ええの?!」「どこか行ってみたいところあるかしら」行きたいとこ…せや、「ドライア!野菜買いに行こうや」カミナさんは目を丸くして「ほんと、リューって最高!野菜って…アハハハハ!」ちっ、笑われてもうたわ。「よし、じゃ掴まってて。ムーブ!」体が浮いたと思ったら、落下しとる夢を見た時のような気分の悪さ。やけどそれも一瞬やった。目の前にはドライアの門。「…ヤバい…」「どう?初めはちょっと怖いよね」「…おぅ…」頭を振って意識をはっきりさせる。「大丈夫や、ホンマすごいわ。さすがカミナさんや」ぎょうさん野菜を買ってまた転移。まだ違和感あるけど1度めよりマシやな。これも慣れなんやろ。
「どないしてやるん?」「そうね、始めは見えてるところに移ることからよ。自分がそこにいることを思い浮かべるの。例えばあの木の下、自分がそこに立っている」そう言うとカミナさんはもう木の下に立っとった。「やってごらん」カミナさんが大声で言う。よし、俺はいま、あの木の下に、カミナさんの横に立っとる。ほら、あそこに俺が居る。「ムーブ!」きた!さっきの感覚や!
「初めてでそこまでできれば上出来よ。そんなに落ち込むことないってば」結局俺は木にたどり着くまでに3回転移を掛けることになったうえに、魔力を使い果たしカミナさんにしゃぶってもらうハメになったのだった。
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完結しました。ありがとうございました。
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