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5. ランクアップ
結界ってホンマ便利や
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「…薪」「ハイ!」「…水」「ハイ!」大将と話すことはこんなもんや。せやけどホンマに見ていて飽きん。固い鉄の塊が炉で溶かされ鎚で叩かれ美しい形になっていく。剣身が層構造だなんて知りもせなんだ。伸ばして叩いてまた伸ばす。気に入らなけば溶かすとこからやり直しや。依頼を受けるのも忘れて鍛冶に夢中になった。
あっという間に半年。月イチのカミナさんとのセックス以外は全く品行方正の日々。大将も鍛造の時に魔力を込めとるけど、俺とどうこうしようという気はないらしい。俺もそんな気にならんけど。溜めに溜めとるせいか、カミナさんは毎回ツヤツヤして上機嫌でサイナラ。
剣を鍛えるのには時間がかかる。量販物も扱っとって、その研ぎが俺の仕事や。大将が手にしているのは特注の大剣。俺の剣より長く重い。「これはお前よりガタイがよくて力もある冒険者に頼まれたモンだ。お前にはあのサイズが合っている。あれ以上の剣はもて余すだろうよ」
「鹿の解体はできるか」「一応できますけど…」「柄に皮を使う。明日にでも外に出て狩ってこい」「わかりました。採集とか、他の依頼も受けてええですか」「かまわん。ついでに薪にする木の伐採。ツリングの在庫も減ってきたからもし見つけたら頼む」朝のうちから出発。皮を使うねやから燃やしたらアカンな。傷をつけずに倒すには…窒息か。カミナさんが「小さな結界を張る時に気をつけるのは空気の通り道を作ること。いつもの結界を小さくしただけじゃ息ができなくなってしまうの。でもそれを利用して…」とラビッツを窒息死させたことがある。やってみるか。森に入って枝を伐採。ホンマこんなときマジックバッグは便利や。荷物にならんで済むからな。じいちゃんたちにヒュンに着いたこと手紙出さな。「んっ!おった!」鹿をメインに索敵しとった俺は走り出す。よし、ちゃんと鹿を索敵できた、あそこにおるわ。逃げ出さんように回り込んで鹿の顔回りに結界を張る。小さく、小さく…。苦しいのか暴れ出す鹿の脚を切り飛ばす。痙攣して息絶えた鹿、うまくいってよかったわ。解体用のナイフを取り出すが、小動物サイズのナイフやからやり難い。帰ったら大将に大きめのナイフを貸してもらえるよう頼んでみるか。
夕方までに5頭の鹿を倒すことができた。試しに空気の通り道をつくるように意識して結界を張ってみたらできていたようで、元気な鹿と戦うハメになったのは御愛嬌や。しかたなく大剣を振るい腹に傷を作ってもうた。ギルドに寄って薬草や傷のついた鹿を納品。大将が頼んどった鉄が入荷したから、と持たされて帰宅。「ご苦労だったな…なんと!無傷か!」「ちょいと工夫したんす。そうや、解体用のもう少しデカいナイフが欲しいんすけど…」
あっという間に半年。月イチのカミナさんとのセックス以外は全く品行方正の日々。大将も鍛造の時に魔力を込めとるけど、俺とどうこうしようという気はないらしい。俺もそんな気にならんけど。溜めに溜めとるせいか、カミナさんは毎回ツヤツヤして上機嫌でサイナラ。
剣を鍛えるのには時間がかかる。量販物も扱っとって、その研ぎが俺の仕事や。大将が手にしているのは特注の大剣。俺の剣より長く重い。「これはお前よりガタイがよくて力もある冒険者に頼まれたモンだ。お前にはあのサイズが合っている。あれ以上の剣はもて余すだろうよ」
「鹿の解体はできるか」「一応できますけど…」「柄に皮を使う。明日にでも外に出て狩ってこい」「わかりました。採集とか、他の依頼も受けてええですか」「かまわん。ついでに薪にする木の伐採。ツリングの在庫も減ってきたからもし見つけたら頼む」朝のうちから出発。皮を使うねやから燃やしたらアカンな。傷をつけずに倒すには…窒息か。カミナさんが「小さな結界を張る時に気をつけるのは空気の通り道を作ること。いつもの結界を小さくしただけじゃ息ができなくなってしまうの。でもそれを利用して…」とラビッツを窒息死させたことがある。やってみるか。森に入って枝を伐採。ホンマこんなときマジックバッグは便利や。荷物にならんで済むからな。じいちゃんたちにヒュンに着いたこと手紙出さな。「んっ!おった!」鹿をメインに索敵しとった俺は走り出す。よし、ちゃんと鹿を索敵できた、あそこにおるわ。逃げ出さんように回り込んで鹿の顔回りに結界を張る。小さく、小さく…。苦しいのか暴れ出す鹿の脚を切り飛ばす。痙攣して息絶えた鹿、うまくいってよかったわ。解体用のナイフを取り出すが、小動物サイズのナイフやからやり難い。帰ったら大将に大きめのナイフを貸してもらえるよう頼んでみるか。
夕方までに5頭の鹿を倒すことができた。試しに空気の通り道をつくるように意識して結界を張ってみたらできていたようで、元気な鹿と戦うハメになったのは御愛嬌や。しかたなく大剣を振るい腹に傷を作ってもうた。ギルドに寄って薬草や傷のついた鹿を納品。大将が頼んどった鉄が入荷したから、と持たされて帰宅。「ご苦労だったな…なんと!無傷か!」「ちょいと工夫したんす。そうや、解体用のもう少しデカいナイフが欲しいんすけど…」
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