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6.
6-3 なんだったんだろう
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side 将真
「…諦めないよ」中村君は自分が泣いているのに気づいていないのかもしれない。「なんで!僕の体だったら好きにしてよ!初めてでもなければ女の子でもない。どうでもいいよ!」こんな顔をさせてこんなことを言わせる奴が中村君を自由にしていたなんて。「体も欲しいよ。でも今じゃない。ちゃんと恋人になりたいんだ」「そんなの信じられない!あの人だって……欲しかったのは僕じゃなかったんだ…」涙に覆われる瞳は暗く沈んでいて俺はたまらなくなって中村君を抱きしめた。「信じて。好きなんだ」俺の腕の中でもがく体。離すもんか。手に入れてやる。体も…心も。
どれくらいそうしていただろう。「…ごめんなさい…」中村君が小さく言った。「何が?」「…泣いたりして…迷惑でしたよね」「そんなことないよ。とにかく…あがって。話をしよう」まだ薄く涙を溜めたまま中村君が頷いた。
「…たぶん…僕達は恋人じゃなかったんです」寄り添って座ったソファーで中村君が話し出した。「僕の心がついていけないうちにそういうことになって…そのまま終わってしまった」「…ソイツがまだ好きなのか…?」中村君は首を横に振った。「僕、今日初めて泣いたんです。つらい、とか、悲しい、とかそういうんじゃなくて…僕達はなんだったんだろう、ってずっと思ってた」
「…諦めないよ」中村君は自分が泣いているのに気づいていないのかもしれない。「なんで!僕の体だったら好きにしてよ!初めてでもなければ女の子でもない。どうでもいいよ!」こんな顔をさせてこんなことを言わせる奴が中村君を自由にしていたなんて。「体も欲しいよ。でも今じゃない。ちゃんと恋人になりたいんだ」「そんなの信じられない!あの人だって……欲しかったのは僕じゃなかったんだ…」涙に覆われる瞳は暗く沈んでいて俺はたまらなくなって中村君を抱きしめた。「信じて。好きなんだ」俺の腕の中でもがく体。離すもんか。手に入れてやる。体も…心も。
どれくらいそうしていただろう。「…ごめんなさい…」中村君が小さく言った。「何が?」「…泣いたりして…迷惑でしたよね」「そんなことないよ。とにかく…あがって。話をしよう」まだ薄く涙を溜めたまま中村君が頷いた。
「…たぶん…僕達は恋人じゃなかったんです」寄り添って座ったソファーで中村君が話し出した。「僕の心がついていけないうちにそういうことになって…そのまま終わってしまった」「…ソイツがまだ好きなのか…?」中村君は首を横に振った。「僕、今日初めて泣いたんです。つらい、とか、悲しい、とかそういうんじゃなくて…僕達はなんだったんだろう、ってずっと思ってた」
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