二人暮らし

2. 倫27歳 真希15歳

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真希をパートさんに任せ倫は真希の家に行った。「マサを預からせてほしいねん。せめて中学を卒業するまで面倒みさせてもらえへんやろか」「なんで…なんでそこまでしてくれるの？ただの近所の人なのに」「なんでかは自分でもようわからへん。けど途中でほっぽりだしたりせえへんから」「…お金なんか無いよ」「要らんよ」「私を真希に会わせてくれる？」「あたりまえやろ、母ちゃんやんか…マサかてきっとわかっとるよ」…俺の母ちゃんは会いたいなんて言うてくれへんかったけどな。父の死を知らせる必要すら感じなかった倫は苦く笑った。

真希の母は施設に断りの電話を入れた。区役所にも連絡して地域の中学に入学する手続きを済ませ「秋山さんを信じています」と倫の前で初めて笑顔を見せた。母親を連れて花屋に戻る。「お母さん…」真希を抱きしめるその姿に倫は誓う。この子をちゃんと大人にしてみせる、それは倫に与えられた使命であった。