5 / 21
1. 倫24歳 真希12歳
1-5
しおりを挟む
ようやく酔いの覚めてきた真希の母が倫に聞く。「あんた誰よ」「俺は近所のモンや。墓参りに行ったらこの子が一人で」「まさか、なんか変な事してないでしょうね!」「するわけないやろ!アンタこそなんやねん!あんなとこで子どもに一晩待たせるやなんて!」「真希!ごめんね、ごめん…お母さん飲みすぎて…待たせてごめんね」真希は何も言わなかった。その目に浮かぶのは子どもらしくない諦めの色であった。
「…あなたも…悪かったわ。真希を連れてきてくれてありがとう」「…ホンマ、ええ加減にせえよ」「もうこんなことしないから。真希、本当にごめんね」ずっと黙っていた真希が口を開いた。「お母さん、僕、一人で大丈夫。お母さんはおじさんが好きなんでしょ?僕、お母さんがいなくても大丈夫だから」「真希!」叫んだ母親の顔には絶望と…隠しきれない喜びがあった。
あの警官も言っとったな。結構仲良く暮らしとる。母親は間違いなくマサを大事に思っとる。ただ…母親にも他に選べる人生があったというだけや。母の最後の理性が真希を抱き寄せる。「真希、馬鹿なこと言わないで。お母さんが真希を一人にするわけないでしょ」「うん、わかってる。僕もお母さん大好きだし…だから大丈夫だよ」倫は何も言わずにアパートを出た。
「…あなたも…悪かったわ。真希を連れてきてくれてありがとう」「…ホンマ、ええ加減にせえよ」「もうこんなことしないから。真希、本当にごめんね」ずっと黙っていた真希が口を開いた。「お母さん、僕、一人で大丈夫。お母さんはおじさんが好きなんでしょ?僕、お母さんがいなくても大丈夫だから」「真希!」叫んだ母親の顔には絶望と…隠しきれない喜びがあった。
あの警官も言っとったな。結構仲良く暮らしとる。母親は間違いなくマサを大事に思っとる。ただ…母親にも他に選べる人生があったというだけや。母の最後の理性が真希を抱き寄せる。「真希、馬鹿なこと言わないで。お母さんが真希を一人にするわけないでしょ」「うん、わかってる。僕もお母さん大好きだし…だから大丈夫だよ」倫は何も言わずにアパートを出た。
1
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説




確率は100
春夏
BL
【完結しました】【続編公開中】
現代日本で知り合った2人が異世界で再会してイチャラブしながら冒険を楽しむお話。再会は6章。1話は短めです。Rは3章の後半から、6章からは固定カプ。※つけてます。5話くらいずつアップします。

寡黙な剣道部の幼馴染
Gemini
BL
【完結】恩師の訃報に八年ぶりに帰郷した智(さとし)は幼馴染の有馬(ありま)と再会する。相変わらず寡黙て静かな有馬が智の勤める大学の学生だと知り、だんだんとその距離は縮まっていき……
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる