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15話、【裏路地のリーダー】の能力
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「……はぁ~」
俺の体に全裸で擦り寄るスワコ。
嬉しいはずなのに、俺は恐怖心を抱いていた。
「……あの、ジョージ君、ちょっとお願いしていいかな」
「これだけ無茶苦茶しといてお願い?どうした?」
真っ赤な顔のスワコは、照れながら言う。
「……わたしの顔を、殴ってください」
「そんなお願いがあるか」
「……首をしめるのでもいいわ」
「もう黙れよスワコ!おい姉貴!助けろ!……ってなんでお前まで脱いでるんだよ!!」
「すわこちゃーん、えすえむぷれいならー、わたしがしてあげるよー?」
「……!お姉さん、とても良い体ですね!!」
「 というわけでー、とりではかえりなさいー」
え、あの、ちょっと?
「お、こんなところにアゲハじゃねえか」
『あー!ジョージさんだー!』
「おう、ジョージさんだぞ」
救急車と消防車の音がひしめき合う13時。SMレズプレイを所望した2人を残して退出した俺は、悶々としながらいつもの公園に来ていた。
花壇の花の香りを楽しむ、女子力というかお姫様力の高いアゲハと遭遇した。
「しばらくぶりだな、元気してた?」
『わたしは元気だよー!』
あぁ、アゲハまじで癒されるな。
『どうしたの?また悩み事?』
「いやー、好きって色々あるんだなって」
ミクの、そばにいるだけで安心できるという好きの感情。
マリアの、死ぬときは一緒だという男気溢れる好きの感情。
スワコの……は置いとくとして。
『わたしもジョージさんのこと好きだよ!』
「あぁ、俺もだよ!」
『でもわたし達は結ばれないの。わたしは人とは結ばれない。あぁなんて悲しき運命なの!』
「え、まってどうした?」
これ以上キャラを盛られても困るんだけど。
アゲハはアゲハのままでいてくれ。
『あ、そうだ思い出した!ジョージさん聞いて?』
「おう、どした?」
『昨日ここに、この前の男の人来てたよ!』
「ん?あぁリョウタだろ?」
『うん、でね、ここに落し物をしていったみたいなの!』
「落し物?」
花壇の中を見る。
特に何も見えないが、アゲハが嘘をつくことなんかないだろう。少し土を払ってみる。
「……これは」
それは、小さな四角い板みたいなものだった。
キョロキョロとあたりを確認する。
木の上に1つ、ブランコの裏、入口の看板。
「……くそ、やられたぜ!」
『どうしたの?』
「盗聴器だ。カメラも3台仕掛けられてる!リョウタの野郎!」
「それはちょっと違うさー?」
背後から現れる男、それはまさしくリョウタ。
「カメラは元々設置されてたよ。盗聴器は会長が去り際に外してくれた。よく気づいたなあいつ」
「……誰がやったのか、心当たりはあるのか?」
「タカシとかそこら辺だろ。しかし厄介な事になってるんじゃないか?」
ゴクリ、と生唾を飲む。
「そうだな。カメラはデータが飛んでるだろうが、盗聴器は考えてなかった」
「なんの話してるかわからないが、多分そうじゃないさー」
リョウタは盗聴器を踏み潰しながら言う。
俺は後悔をする事になる。
「俺様が考えるに【裏路地のリーダー】ってあれだろ?【範囲内の全ての人間の心を聞く】能力だろ?カメラに気づいて会長は場所を変えたのだろうが、盗聴器に気づかないなんてことあるか?」
そう、俺はその時【裏路地のリーダー】の【眼】と繋いでいた。
つまりその時、気づけるはずなんだ。
俺が気付けてないってことは、マリアが盗聴器を外したのもたまたま、ゴミを払ったくらいの考えだっただろうし、それに何より。
「つまり【裏路地のリーダー】の能力の範囲外から盗聴してたのさー。バレてるといっていいぜ、お前らのこと」
リョウタの勘が冴え渡る。
とうとうこいつ、自力で正解を導き出しやがった。
「大丈夫さー。俺様は、いつでもお前の味方だ。せめてお前だけでも、俺様が守ってやる」
俺の体に全裸で擦り寄るスワコ。
嬉しいはずなのに、俺は恐怖心を抱いていた。
「……あの、ジョージ君、ちょっとお願いしていいかな」
「これだけ無茶苦茶しといてお願い?どうした?」
真っ赤な顔のスワコは、照れながら言う。
「……わたしの顔を、殴ってください」
「そんなお願いがあるか」
「……首をしめるのでもいいわ」
「もう黙れよスワコ!おい姉貴!助けろ!……ってなんでお前まで脱いでるんだよ!!」
「すわこちゃーん、えすえむぷれいならー、わたしがしてあげるよー?」
「……!お姉さん、とても良い体ですね!!」
「 というわけでー、とりではかえりなさいー」
え、あの、ちょっと?
「お、こんなところにアゲハじゃねえか」
『あー!ジョージさんだー!』
「おう、ジョージさんだぞ」
救急車と消防車の音がひしめき合う13時。SMレズプレイを所望した2人を残して退出した俺は、悶々としながらいつもの公園に来ていた。
花壇の花の香りを楽しむ、女子力というかお姫様力の高いアゲハと遭遇した。
「しばらくぶりだな、元気してた?」
『わたしは元気だよー!』
あぁ、アゲハまじで癒されるな。
『どうしたの?また悩み事?』
「いやー、好きって色々あるんだなって」
ミクの、そばにいるだけで安心できるという好きの感情。
マリアの、死ぬときは一緒だという男気溢れる好きの感情。
スワコの……は置いとくとして。
『わたしもジョージさんのこと好きだよ!』
「あぁ、俺もだよ!」
『でもわたし達は結ばれないの。わたしは人とは結ばれない。あぁなんて悲しき運命なの!』
「え、まってどうした?」
これ以上キャラを盛られても困るんだけど。
アゲハはアゲハのままでいてくれ。
『あ、そうだ思い出した!ジョージさん聞いて?』
「おう、どした?」
『昨日ここに、この前の男の人来てたよ!』
「ん?あぁリョウタだろ?」
『うん、でね、ここに落し物をしていったみたいなの!』
「落し物?」
花壇の中を見る。
特に何も見えないが、アゲハが嘘をつくことなんかないだろう。少し土を払ってみる。
「……これは」
それは、小さな四角い板みたいなものだった。
キョロキョロとあたりを確認する。
木の上に1つ、ブランコの裏、入口の看板。
「……くそ、やられたぜ!」
『どうしたの?』
「盗聴器だ。カメラも3台仕掛けられてる!リョウタの野郎!」
「それはちょっと違うさー?」
背後から現れる男、それはまさしくリョウタ。
「カメラは元々設置されてたよ。盗聴器は会長が去り際に外してくれた。よく気づいたなあいつ」
「……誰がやったのか、心当たりはあるのか?」
「タカシとかそこら辺だろ。しかし厄介な事になってるんじゃないか?」
ゴクリ、と生唾を飲む。
「そうだな。カメラはデータが飛んでるだろうが、盗聴器は考えてなかった」
「なんの話してるかわからないが、多分そうじゃないさー」
リョウタは盗聴器を踏み潰しながら言う。
俺は後悔をする事になる。
「俺様が考えるに【裏路地のリーダー】ってあれだろ?【範囲内の全ての人間の心を聞く】能力だろ?カメラに気づいて会長は場所を変えたのだろうが、盗聴器に気づかないなんてことあるか?」
そう、俺はその時【裏路地のリーダー】の【眼】と繋いでいた。
つまりその時、気づけるはずなんだ。
俺が気付けてないってことは、マリアが盗聴器を外したのもたまたま、ゴミを払ったくらいの考えだっただろうし、それに何より。
「つまり【裏路地のリーダー】の能力の範囲外から盗聴してたのさー。バレてるといっていいぜ、お前らのこと」
リョウタの勘が冴え渡る。
とうとうこいつ、自力で正解を導き出しやがった。
「大丈夫さー。俺様は、いつでもお前の味方だ。せめてお前だけでも、俺様が守ってやる」
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