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プロローグ

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待って、どういうことですか?



いや、ゲームをするから連れてきたって……



え、決定事項なんですか……



……は?悪役の下っ端?



どういうことですか!?



唐突だった。



高校の修学旅行最終日、バスに乗っていたはずなのに、気づいたら、真白な空間にいた。



友達も隣で寝てたはずなのにいない。



何がなんだかわからなくて、おろおろしていたら、変なのが出てきた。



「なんだ。まだ起きてなかった奴がいたのか。」



誰なのかよくわからないから聞こうとしたけど、声が出なかった。というか、声を出しているのかすらわからない。



「喋らなくても思っただけで聞こえる。それと、お前の質問に答えるが、私は神だ。……ふむ。残っている役は一つしか無いな。」



……残っている役?どういうこと?というか、ここどこですか!?



頭の中で理解不能な言葉を理解しようとするけど、唐突すぎてわからない。



「……混乱しすぎだ。まず落ち着け。それからお前が知りたいことを教えてやる。」



……はい。



「まず、ここはどこか、という質問だが、ここは俺が管理する世界の精神世界だ。そして、お前たち・・・・は俺の暇潰しに呼ばれた。」



……はい?たち?暇潰しに呼ばれた?



「……で、お前たちがやることは、俺の管理する世界でゲームをしてもらう。」



……ゲーム?



「簡単な話、お前たちに役を与えるから、それにあった行動を起こすだけでいい。残念ながら、役がそんなに思い付かなかったから、20個ちょっきりしかなくてな。お前は悪役の下っ端だ。」



……はい?……あの、少し、いいですか?



「ああ。いいぞ。」



ありがとうございます。じゃあ、まず暇潰しに呼んだってどういうことですか!?しかもゲーム!?しかも私のその役?が悪役の下っ端って、初っぱなで倒される役じゃないですか!



「ああ。そうだな。」



……それって、もしかして、倒されたら、そのまま死ぬってことはないですよね?



「ああ。そうだな。」



それは良かった……



暇潰しとか、ゲームとか、意味不明過ぎてよくわからないけど、まだ死なないなら、大丈夫なはず。



「死ぬな。でもって、輪廻の輪っかで生まれ変わるな。」



……はい?え、ちょっ、待ってください!倒されたら死ぬんですよね!?



「ああ。なんだ?その役は嫌か?嫌なら倒されないよう頑張るんだな。」



今、重要な言葉を言ってた。”倒されないよう頑張るんだな“。ということは、



もしかして、役を演じきらなくていいんですか?



「ん、ああ。そうとも言えるな。それじゃ、頑張れ。」



神様がそう言うと、意識がぷつんと切れた。





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