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シルヴィーとシルヴィア
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シルヴィーとシルヴィアはアリスティアから産まれた双子の姉妹である。双子と言っても瓜二つな双子ではなく、別々に産まれた双子であった。産まれた時には聖女の痣や姫巫女の痣は確認が認められていなかったのだが、姉妹が成長するに連れて今まで確認出来ていなかった痣もハッキリと確認出来るまで発現していたのだった。この時点で異能の発現は確認されておらず、アリスティアは宮殿の宮司と相談した結果異能が発現するまでは宮殿に世話になる事を決めていたのだが、宮殿に突然来るようになった使用人たちの態度が悪く姉妹の教育に悪いと判断して、ある人を訪ねてそこに娘たちを預けるようにしたとの事だった。
(本当に大丈夫なのかしら?宮司殿は大丈夫なような事を言っておられたけど不安だわ・・・)
アリスティアは宮司に聞いた人の所に向かっていたのだが、自分の娘の安全が気になるのか表情は曇っていた。
実の娘を他人に預けるのだから安全を気にするなというのは無理な話でもある。それでも、あの宮司が心配は要らないというのだから少しは信用出来るのだろうとアリスティアは思うようにしたのだった。
「ここでいいのかしら?随分と変わった場所のようだけど、人が住んでるとは思えないわね!」
「おや?こんな所にお客が来るなんて珍しい事もあるもんだね、それで何か御用かいお嬢さん?」
「娘の事で人を訪ねに来たのですが、どこにお住まいかご存じですか?」
「ああ、おまえさんが宮司の言ってた子かい。生憎ここには私以外住んじゃ居ないよ、それで預かって欲しい娘たちというのは、その娘たちかい!」
「はい、最初は職場に連れて行ってたんですけど、あまりにも酷い方々増えて来たので宮司殿に相談したらここで預かって貰えと言われまして連れて来た次第です!」
「そう、あなたが息子の言ってた人なのね。大丈夫よ心配しなくても変な虫とかおかしな思想なんて植え付けたりしないから!これでも、昔は巫女だったのよ、今でいう姫巫女とは別物だけどね!」
「元巫女なんですか?それに先ほど宮司殿を息子と言われませんでしたか?」
「あら、あの子何の説明もせずに寄越すなんて不親切にもほどがあるわ。今度注意しておかないといけないね!」
アリスティアは元巫女という女性と話していて少し安心感を得ていた。例え、相手が本来の元巫女であろうと巫女だった事に変わりは無いし最初こそ畏怖を感じたがそれだけである。アリスティアは娘たちを預けても大丈夫な気がしていたのである。
「そういう事ですか、取り敢えず娘たちはあなたを信じて預けることにします!私の方が落ち着いたら迎えに来ますので、それまで娘たちをお願いします!」
「わかりました、アリスティアさんと言いましたか?娘さんたちの事は大事に預からせて頂きますので落ち着いてからでいいので一度連絡もらえますか!」
「はい、わかりました。事が落ち着き次第ご連絡させてもらいます!」
アリスティアは元巫女ということもあり娘たちの事は無下に扱わないと判断して娘たちを預けて事が落ち着いたら連絡する旨を元巫女に告げ、娘たちにもいい子にしているんだよと声をかけて宮殿に戻って行く事にしたのだった。元巫女で宮司の育ての親でもある女はシルヴィーとシルヴィアの痣に気付くのだが母親であるアリスティアからは何も言われていないため気付いていないふりをしながら姉妹たちとの生活をすることに決めたのだった。
(お母様はこの人を信用したようだけど本当に信用出来るのかしら?シルヴィーはどう考えてるのかな?)
(さすがにお母様のように素直に信用するのは危ないかもしれないわね?シルヴィアも警戒してるようだし少し様子を見た方がいいかしら?)
シルヴィーとシルヴィアは元巫女である女性を素直に信用するべきでは無いと子供ながらに判断している。その事が後に母親であるアリスティアにバレてしまうのだがアリスティアは娘たちの警戒心の強さに関心して姉妹の頭を撫でたとの事だった。
(本当に大丈夫なのかしら?宮司殿は大丈夫なような事を言っておられたけど不安だわ・・・)
アリスティアは宮司に聞いた人の所に向かっていたのだが、自分の娘の安全が気になるのか表情は曇っていた。
実の娘を他人に預けるのだから安全を気にするなというのは無理な話でもある。それでも、あの宮司が心配は要らないというのだから少しは信用出来るのだろうとアリスティアは思うようにしたのだった。
「ここでいいのかしら?随分と変わった場所のようだけど、人が住んでるとは思えないわね!」
「おや?こんな所にお客が来るなんて珍しい事もあるもんだね、それで何か御用かいお嬢さん?」
「娘の事で人を訪ねに来たのですが、どこにお住まいかご存じですか?」
「ああ、おまえさんが宮司の言ってた子かい。生憎ここには私以外住んじゃ居ないよ、それで預かって欲しい娘たちというのは、その娘たちかい!」
「はい、最初は職場に連れて行ってたんですけど、あまりにも酷い方々増えて来たので宮司殿に相談したらここで預かって貰えと言われまして連れて来た次第です!」
「そう、あなたが息子の言ってた人なのね。大丈夫よ心配しなくても変な虫とかおかしな思想なんて植え付けたりしないから!これでも、昔は巫女だったのよ、今でいう姫巫女とは別物だけどね!」
「元巫女なんですか?それに先ほど宮司殿を息子と言われませんでしたか?」
「あら、あの子何の説明もせずに寄越すなんて不親切にもほどがあるわ。今度注意しておかないといけないね!」
アリスティアは元巫女という女性と話していて少し安心感を得ていた。例え、相手が本来の元巫女であろうと巫女だった事に変わりは無いし最初こそ畏怖を感じたがそれだけである。アリスティアは娘たちを預けても大丈夫な気がしていたのである。
「そういう事ですか、取り敢えず娘たちはあなたを信じて預けることにします!私の方が落ち着いたら迎えに来ますので、それまで娘たちをお願いします!」
「わかりました、アリスティアさんと言いましたか?娘さんたちの事は大事に預からせて頂きますので落ち着いてからでいいので一度連絡もらえますか!」
「はい、わかりました。事が落ち着き次第ご連絡させてもらいます!」
アリスティアは元巫女ということもあり娘たちの事は無下に扱わないと判断して娘たちを預けて事が落ち着いたら連絡する旨を元巫女に告げ、娘たちにもいい子にしているんだよと声をかけて宮殿に戻って行く事にしたのだった。元巫女で宮司の育ての親でもある女はシルヴィーとシルヴィアの痣に気付くのだが母親であるアリスティアからは何も言われていないため気付いていないふりをしながら姉妹たちとの生活をすることに決めたのだった。
(お母様はこの人を信用したようだけど本当に信用出来るのかしら?シルヴィーはどう考えてるのかな?)
(さすがにお母様のように素直に信用するのは危ないかもしれないわね?シルヴィアも警戒してるようだし少し様子を見た方がいいかしら?)
シルヴィーとシルヴィアは元巫女である女性を素直に信用するべきでは無いと子供ながらに判断している。その事が後に母親であるアリスティアにバレてしまうのだがアリスティアは娘たちの警戒心の強さに関心して姉妹の頭を撫でたとの事だった。
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