7 / 13
鍛冶素材と5戦神器
しおりを挟む今回の奉納の儀と呼ばれる儀式に際し2柱の神が神器の作成に選ばれたのだが、その2柱とは武神と鍛冶神だった。後にこの2柱による5戦の神器が奉納されるのだが、この2柱が造ったとされる神器があまりにも似てい過ぎたため騒動が起きる事になる。
「おいおい、俺は戦う事しか出来ない武神だぞ!なんで俺が5種の神器を造ることになるんだ?」
「あなたがそれをいいますか?武神と言ってもあなたの場合普段使われる武神とは違い本来の意味での武神なのだから武器の創造も出来ますよね?」
「あのな鍛冶神、俺は確かに武と付くものに対しての神だが武器の創造はお前たち鍛冶神の仕事だろ?それに5種ということは鍛冶も含むということになるんだぞ」
「ああ、そのことか別に大したことじゃないしな。それに俺が造るものとお前が造る物は素材がそもそも違うしな!確かに俺は鍛冶神ではあるが、俺の鍛冶は元々武器を作るための鍛冶ではないしな。」
2柱がお互いの神としての才能を確かめ合ったが根本的な解決にはなっていない。何故なら5戦というの刀・槍・薙刀・弓・鍛冶の5種を納めなければならないのだが、最大の難関とされてる理由は1つの素材ですべて造れと云われていることにある。そして、この問題を解決するための素材はある特殊な条件下で産まれる2つの素材であるが、この入手と加工ががさらに困難なため造るのがほぼ不可能とされていた。
「あー、おまえの使う素材は神楽素材か?そうすると俺は金翅神硬鋼石になるのか?また、めんどうな素材になったものだな・・・」
「ん?おまえが神楽素材じゃないのか?俺はもう金翅神硬鋼石を用意し始めたぞ!おまえはまだだよな?」
「なんだ、やっぱりおまえが使うのか金翅神硬鋼石は?俺はどっちになってもいいように準備してるから神楽素材でも一向にかまわないんだがな!ただ、問題があるとすれば金翅神硬鋼石と神楽素材は同じ素材に見えてしまうことだろうな」
「あーあ、そういえば神楽素材と金翅神硬鋼石は出来る過程が違うだけで同じところから採れるんだったか?」
「ああ、おまえも知ってると思うが神楽素材も金翅神硬鋼石も金翅鳥(かねのはやおうとり)が由来の素材で非常に加工しにくいとされてるものだ。しかも、神楽素材は採れる時期が短く最大で30日で消えてしまう素材だ。金翅神硬鋼石に至っては孵化してから20日経たないと鋼石に成らないため時間がかかる。ゆえに同じ鋼石のように見えるが実際は別物で見分けも付く」
「素材もそうだが、今回の奉納は神子が選ばれると思うのだが誰が俺たちに付くか気にならんか?」
「神子か?気にはなるが神選は創造主若しくは剪定神がするだろうから俺たちは精々まともなというか使える神子が来ることを願うしか出来んな!」
奉納の儀について話す武神と鍛冶神は自分たちに付くであろう神子と自分たちがこれから使うために採取する素材について話し合っていたのだが、これを聞いていた創造主は神子の神選を剪定神に一任することにしてしまい後に騒動になるのだがさすがに創造主が盗み聞きしてたとは言えないため誤解が誤解を招く結果となったとされている。
創造主から神子の神選を一任された2柱はまず神子を産み出すための分身魂を誰に頼むべきか悩んでいる。それもそのはずである、神子の才能は主に分身魂の才能を受け継ぐことが多いため下手な神選は相性の悪い神子を産み出してしまうからである。それでも、職業神によってはいい結果に繋がることもあるのだが、今回は奉納の儀における神の代わりに神子が奉納しなければならないという役がある。ゆえに神子の神選もより慎重にならずを得ないのだが、創造主への奉納は神であっても名誉な事とされており、自分から分身魂を作りたいという神も多いがそういうものはリストから外した結果星神の分身魂である鍛冶神と武神になってしまった。
この時はまだ星神の分身魂が奇しくも自分たちと同じ才能を受け継いでしまった事に2柱である男神らしき者と女神らしき者は気付けずにいたことは創造主も理解はしていたもののまさか、奉納の儀で奉納するものを造る神々も同じ才能とは思ってもみなかったことである。
「これはどうするべきが良いのだろうな?」
「どうするも何も奉納の儀は行われるでしょうし、今さら職業神を変えるなんてことも出来る訳ないことはご存知でしょうに・・・」
「さすがにしくしくと行事が進むとは思えないんだが、奉納の儀はもう奉納されるであろう物を待つしかない状態ではあるな」
「ここまで見事に一致してしまったことには騒ぎが起こるでしょうけど我らにはどうにも出来ない事でもあるのだから創造主様の判断を待つしかないかと?ただ、救いだったのは神子が武神に鍛冶神子、鍛冶神に武神神子だったことかしらね」
神選を終えた2柱が一息ついてる頃武神と鍛冶神は神子を連れて素材採取に向かうための準備を始めていたのだが、お互いの素材が同じ所で別の時期に採れるのだが金翅鳥が住むとされている山が異常な状態になっておりとても行ける状態ではなかった。なぜ、こんな事になっているかというと何も知りもしない無知な神々が勝手に金翅鳥の巣に立ち入り卵を持ち出そうとした結果といわれている。しかし、奉納の儀までの期間は決まっており、その期間内に奉納するべきものを作り奉納する場所へ持ち込まなければならない。
「さすがにあの状態の山に入る奴らは居ないと思うが、この機会を逃すような武神でもないわな?今の状態なら俺でもこっそり入ることは出来るけど肝心のものが出来て無いしな」
「鍛冶神様、なぜ?武神様があの山に入ると思っていらっしゃるのですか?私にはとても理解出来ないのですが・・・・・・」
「考えてもみろ、今の状態は金翅鳥のことを知らない連中は入れない状態だぞ!よく知ってる俺や武神ならこんな誰にも邪魔されない安全な状態で作業出来るなら多少のリスクがあっても普通にいくぞ。」
鍛冶神が武神ならこの機会を逃すことは無いと神子に話してる頃武神も同じように(鍛冶神ならこのタイミングで採りに行くだろうと)鍛冶神子に説明していた。お互いがお互いを良く知るからこその言動なのだが、武神も鍛冶神も素材を得るためのタイミングは分かっているからこそ安易に近寄らず機を窺っている。
「しかし、めんどうな事になってるな、これだとどっちの素材が採れてもおかしくない状態だな」
「武神様、どういうことなのですか?私には特に問題無いように見えますが?」
「通常神楽素材は番いで居ない時に分身魂を作る際に出来る神力溜まりが出来て初めて採れる素材なんだが、今の状態は神力溜まりと卵が同時にある状態なんだよ!」
「その状態だと何がいけないんですか?私にはよくわかりませんが・・・」
今の状態の何が良くないかわからない鍛冶神子は再度武神に何がどういけないのかと聞くが武神は「見ての通りだ」というだけで何も鍛冶神子はわからないでいた。武神が説明しない理由はまさに見ての通りだからである、神力溜まりと卵が一緒にあることによって神楽素材と金翅神硬鋼石の両方が採れてしまうこともあるが、それ以上に警戒してるのは未知の鋼石が産まれる可能性であると伝えられている。
武神と鍛冶神はほぼ同じ考えに辿り着く、その考えとは掘ってみるしかないという。実際に掘って見ない事には何が出るかはわからない状態でありお互いの素材は知っているかこそ、この考え方になったといえる。もし、違う素材が出たとしても保管方法は知っているのだから特に問題は無いと考えた武神と鍛冶神はとにかく掘って欲しい素材が出ればよし出なければ出るまで掘るという事にしていた。
「「げっ!」」
神子2人は何が起きたのかわからずに声の聞こえた方を振り向くと武神と鍛冶神がお互いの顔を見ながら固まっていた。その光景を見た武神神子と鍛冶神子は、なぜ武神と鍛冶神が固まっているのかわからないでいたが、そこにある何かが原因であることは大体の予想は付いていた。衝撃のあまり固まっていた武神と鍛冶神は、今目の前にあるこれをどうするかお互いの頭の中で考え始めているが、鍛冶神子と武神神子は2柱が正気に戻っているとはつゆ知らず声をかけてしまうのだが武神も鍛冶神もお互いの神子が心配して声をかけて来たのを理解出来てた為不敬とは取らず心配をかけたと声をかけるだけにした。
この世界における武神
武神とは、その名の通り武に精通した才能を持つ神のことである。ただ、一般的に云われている武神とは違い武と付くものであれば全てにおいて他の職業神を圧倒していると云われている。例えば、武術・武闘・武踏・武器・武器鍛冶と言ったものが挙げられる。
この世界における鍛冶神
鍛冶神には、鋳造鍛冶・鍛造鍛冶・農鍛冶・刀鍛冶などがあり、これらを全て極めているのが製鉄神である。農鍛冶神は農業に使われる農具やそれに付随する物であれば精巧に作り上げる事が出来る。また、農具を作る過程において、それを武器として作ることも出来たとされており、他の鍛冶神からは侮れないと一目置かれていたとされている。
武神神子(たけがみのみこ)
武神の分身魂から産まれて来た神子で神力は、さほど強くないが武神の分身魂から産まれただけあってかなり強い。
鍛冶神子(かじのみこ)
鍛冶神の分身魂から産まれて来た神子で神力は、神子の中では頭1つ抜きに出てると云われている。鍛冶神子が神力が強いのには訳があり、鍛冶の手伝いをする際に神力が必要な工程があり神力が無ければ作ることが出来ないとされている。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる