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モノローグ

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 “彼”と出会ったのは、不運が重なった日の夕方だった。

 朝の情報番組の占いが最下位だった。設定していたスマホのアラームがなぜか鳴らなかった。夏休みの課題の一式を学校に忘れてきたことに気づいた。人身事故によって電車が運転見合わせになった。その全てがこの出会いのためにあったのではないかと思えるほど、それは不思議な出来事だった。

 教室の窓の外では、夕立が降っていた。
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