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第2怪「トイレの花子さん」
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時刻は深夜1時56分。
タイムリミットは刻々と近づいている。明日の朝8時までに仕上げなければならない書類作成は、なんとか7割仕上がっていた。この調子なら、あと1時間程でなんとかなりそうだ。
時計は私の仕事の進捗を急かすかのように、単調なリズムを刻んでいる。
私の指は時計に反して変則的にキーボードを鳴らし、青く光るモニターと睨み合っていた。
「駄目だ。疲れた。」
私は少し血走った目を休める為に、一度離席した。
チカチカと今にも消えてしまいそうな電灯が灯す廊下を歩き、栄養ドリンクとコーヒーが多く陳列されている自販機の前でブラックコーヒーを購入した。
私以外誰もいない廊下。ガコンと鈍く重い音が響き渡る。
私はプルタブを開け、少し苦味が強いコーヒーを口に流し込んだ。冷たい感覚が喉から胃へと続いていく。
「あと、やらないといけないのは・・・」
私は缶を持ちながら残りの仕事量とそれに合わせた予定を考えていた。
そんな時だった。
股間に違和感を覚えた。
どうやら、私の内尿道括約筋の防壁が開門したらしい。残る関門の外尿道括約筋が開いてしまう前に、私はトイレへと足を向けた。
「っあぁ~~~・・・。」
「あ」に濁音混じりで私は吐息を漏らした。
廊下もそうだったが、トイレの電灯も残り少ない力を振り絞りながら職務を全うしている。彼(男子トイレなのだから、おそらく彼で合っているはずだ。)もまた、私と同じように、この一企業で働く戦士だった。
私は用を足し、手を洗いながら、ふと思いだした。この前の「口裂け女」に出会ったからだろう。トイレといえば「トイレの花子さん」という怪談があった。
「学校の校舎3階のトイレで、扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか?』と尋ねる行為を一番手前の個室から奥まで3回ずつやると3番目の個室からかすかな声で「はい」と返事が返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きずりこまれる」というもの。
そう言えば、私がいま使っているトイレ、3階だったような・・・。
いや、しかし、扉をノックする事や尋ねる行為等をしない限り「トイレの花子さん」は現れない。
そのはずだった。
「呼んだ?」
・・・呼んでない。
鏡の前の私の背後に確かに居る。
確かにそこに居る。
私は膝の大爆笑を止められないまま、固まっていた。
何故だ。何故「トイレの花子さん」がここに居る。
ここ男子トイレだぞ!?
ここ、男子トイレだぞ!?
「ねぇ、呼んだんでしょ?」
問いが帰ってこない私に彼女は再度確認するように私に問いかけてきた。
「よ、呼んでいない!!本当に呼んでいない!!」
私は声を震わせながら彼女の問いに答えた。
「嘘つき。」
「トイレの花子さん」は私の視界を覆うように両手で私の目を隠すと同時に私の身体は後方へ吸い寄せられるように引っ張られた。
どうして、こうなったのだろう。
私はいま起きている事を頭で整理していた。
呼んでもいないはずの「トイレの花子さん」に突然連れ去られ、私はしばらく、闇の中を彷徨っていた。
そして、視界が開けた瞬間、私の目に映ったのはピンク色だった。
どう表現すればいいのかと聞かれると私は「ピンク」としか答えられない。それくらい、辺り一面がピンク色の多目的トイレに連れ込まれていた。
「だから、悪かったってば。」
目の前のトイレに足を組んで座り、座椅子に座らされていた私を見下ろしながら「トイレの花子さん」であろう女性が面倒くさそうに謝罪してきた。
「あーしもさ、悪気があった訳じゃないっていうか。いや、悪い事はしようとしたんだけどさ?」
黒く艶のあるおかっぱ頭に先程からチラッと覗かせているエメラルドグリーンの線がより「トイレの花子さん」の黒髪を際立たせている。
「おっかしいなぁ・・・。呼ばれた気はしたんだけどなぁ。」
頭を掻き上げながら 悩むように彼女はポツリと独り言を呟いていた。私は地べたに座りながら辺り一面を見回した。トイレの鏡面台には多種多様の形をした瓶が置いてある。床に置いてあるのは空気清浄機に電気ケトル、電子レンジ、テレビ、床にはふわふわのカーペット、部屋の隅にある観葉植物がピンクに疲れた私の目を癒してくれる。
一人暮らしのOL部屋か?
「とりあえず、おじさんさ、こんな時間に何やってたの?」
彼女は頬杖を着き、私を見下ろしながら問いかけてきた。
「何って・・・用を足しに・・・」
「いや、そんなことは分かってんのよ。むしろ、それ以外の用でトイレで何するんよ。あーしが聴いてんのはこんな時間に学校のトイレに寄んなきゃいけない理由ってなによって話。」
「・・・学校?」
「え?ここ学校っしょ?市立洞溜(ほらだめ)小学校。」
・・・どこ?
私の表情から察した彼女は何かを口にしようとしたが、一度、口を紡ぐと赤面し、また何かを口に出そうとしていた。が、声は出そうに無いようだ。彼女の中の何かがそれを出すのを拒んでいるのだろう。
おそらく、間違えたのだろう。それも、話の感じ的に割と遠距離の場所と。
私はそう考えて、ふと思ったことがある。
「あの、あなたはトイレの花子さんなんですよね?」
私の問いかけに彼女は虚をつかれたようで、一瞬、呆気にとられたようだ。
「そうだけど?」
彼女は不服そうな、かつ、猜疑心を抱いた目でこちらを見た。
「花子さんというのは、離れたとこへの瞬間移動も可能なんですか?」
「できるけど?」
即答。息付く間もなく答えが返ってきた。
「それ出来ないと全国どこでも対応出来ないじゃん?」
そんな、どこぞのお客様相談室と同じノリなのか。
「ちなみに、話で聴いた話と少し姿が違うみたいなんですけど・・・。おかっぱ頭とか、その緑の髪とか・・・」
「ショートボブね?このメッシュだってオシャレで入れてるエクステだから。知ってる?エクステ。」
ショートボブにエクステ・・・。
「いまどき、怪談だって時代に合わせて変えてかなきゃ語られないし、やってらんないのよ。わかる?」
そう言えば、以前の口裂け女のあの人もソーシャルディスタンスとか気にしてたな。
「とりあえず、こっちの間違いで連れてきちゃったみたいだし、今回は元の場所に戻したげるから。ここ立ってくれる?」
扉の前を指さす彼女の言う通りに私は扉の前に立った。
私は最後に気になっていた質問を彼女に聴いてみた。
「もしの話なんですが、私が本当に貴女を呼んでたら私はどうなっていたんですか?」
「そりゃ、場合にもよるけど、いきなり寝てるところを呼び出されたんだから、あーしだってマジおこな訳だからねぇ?目と皮と骨を神隠ってから、元の場所にポイしたよね。」
「なに?やっぱ呼んでたの?」
「いいえ!!」
花子さんから今まで聞こえていた声とは別のような金切り声で聞かれ、私は即答した。
「あっそ。じゃ、間違ってもあーしを呼んだらダメだよ?オジさん♡」
背中を押されると、私は会社の洗面台の前に立っていた。
無事戻ってこれた事に安堵し、私はトイレから出た。廊下を抜け、デスクに戻り、隣りに座っている同僚に軽く挨拶し、私は再びキーボードを打ち始めた。
ふと朝日が目に入る。一睡もしていない私の目には少し強い刺激だったが、私は気にせずキーボードを叩く。
時刻は7時30分。あの空間もしっかり時は流れていた。
タイムリミットは残り30分。
私の背筋はあの時の花子さんの声と同じくらい冷えきっていた。
「トイレの花子さん」
・居住空間はOLの一人暮らしのような部屋だった。
・おかっぱ頭ではなく、ショートボブ(メッシュ入り)。オシャレにも気を使っているらしい。
・時間帯によって神隠られる。
「トイレの花子さん」(間違い訪問からのまじぴえん)
タイムリミットは刻々と近づいている。明日の朝8時までに仕上げなければならない書類作成は、なんとか7割仕上がっていた。この調子なら、あと1時間程でなんとかなりそうだ。
時計は私の仕事の進捗を急かすかのように、単調なリズムを刻んでいる。
私の指は時計に反して変則的にキーボードを鳴らし、青く光るモニターと睨み合っていた。
「駄目だ。疲れた。」
私は少し血走った目を休める為に、一度離席した。
チカチカと今にも消えてしまいそうな電灯が灯す廊下を歩き、栄養ドリンクとコーヒーが多く陳列されている自販機の前でブラックコーヒーを購入した。
私以外誰もいない廊下。ガコンと鈍く重い音が響き渡る。
私はプルタブを開け、少し苦味が強いコーヒーを口に流し込んだ。冷たい感覚が喉から胃へと続いていく。
「あと、やらないといけないのは・・・」
私は缶を持ちながら残りの仕事量とそれに合わせた予定を考えていた。
そんな時だった。
股間に違和感を覚えた。
どうやら、私の内尿道括約筋の防壁が開門したらしい。残る関門の外尿道括約筋が開いてしまう前に、私はトイレへと足を向けた。
「っあぁ~~~・・・。」
「あ」に濁音混じりで私は吐息を漏らした。
廊下もそうだったが、トイレの電灯も残り少ない力を振り絞りながら職務を全うしている。彼(男子トイレなのだから、おそらく彼で合っているはずだ。)もまた、私と同じように、この一企業で働く戦士だった。
私は用を足し、手を洗いながら、ふと思いだした。この前の「口裂け女」に出会ったからだろう。トイレといえば「トイレの花子さん」という怪談があった。
「学校の校舎3階のトイレで、扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか?』と尋ねる行為を一番手前の個室から奥まで3回ずつやると3番目の個室からかすかな声で「はい」と返事が返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きずりこまれる」というもの。
そう言えば、私がいま使っているトイレ、3階だったような・・・。
いや、しかし、扉をノックする事や尋ねる行為等をしない限り「トイレの花子さん」は現れない。
そのはずだった。
「呼んだ?」
・・・呼んでない。
鏡の前の私の背後に確かに居る。
確かにそこに居る。
私は膝の大爆笑を止められないまま、固まっていた。
何故だ。何故「トイレの花子さん」がここに居る。
ここ男子トイレだぞ!?
ここ、男子トイレだぞ!?
「ねぇ、呼んだんでしょ?」
問いが帰ってこない私に彼女は再度確認するように私に問いかけてきた。
「よ、呼んでいない!!本当に呼んでいない!!」
私は声を震わせながら彼女の問いに答えた。
「嘘つき。」
「トイレの花子さん」は私の視界を覆うように両手で私の目を隠すと同時に私の身体は後方へ吸い寄せられるように引っ張られた。
どうして、こうなったのだろう。
私はいま起きている事を頭で整理していた。
呼んでもいないはずの「トイレの花子さん」に突然連れ去られ、私はしばらく、闇の中を彷徨っていた。
そして、視界が開けた瞬間、私の目に映ったのはピンク色だった。
どう表現すればいいのかと聞かれると私は「ピンク」としか答えられない。それくらい、辺り一面がピンク色の多目的トイレに連れ込まれていた。
「だから、悪かったってば。」
目の前のトイレに足を組んで座り、座椅子に座らされていた私を見下ろしながら「トイレの花子さん」であろう女性が面倒くさそうに謝罪してきた。
「あーしもさ、悪気があった訳じゃないっていうか。いや、悪い事はしようとしたんだけどさ?」
黒く艶のあるおかっぱ頭に先程からチラッと覗かせているエメラルドグリーンの線がより「トイレの花子さん」の黒髪を際立たせている。
「おっかしいなぁ・・・。呼ばれた気はしたんだけどなぁ。」
頭を掻き上げながら 悩むように彼女はポツリと独り言を呟いていた。私は地べたに座りながら辺り一面を見回した。トイレの鏡面台には多種多様の形をした瓶が置いてある。床に置いてあるのは空気清浄機に電気ケトル、電子レンジ、テレビ、床にはふわふわのカーペット、部屋の隅にある観葉植物がピンクに疲れた私の目を癒してくれる。
一人暮らしのOL部屋か?
「とりあえず、おじさんさ、こんな時間に何やってたの?」
彼女は頬杖を着き、私を見下ろしながら問いかけてきた。
「何って・・・用を足しに・・・」
「いや、そんなことは分かってんのよ。むしろ、それ以外の用でトイレで何するんよ。あーしが聴いてんのはこんな時間に学校のトイレに寄んなきゃいけない理由ってなによって話。」
「・・・学校?」
「え?ここ学校っしょ?市立洞溜(ほらだめ)小学校。」
・・・どこ?
私の表情から察した彼女は何かを口にしようとしたが、一度、口を紡ぐと赤面し、また何かを口に出そうとしていた。が、声は出そうに無いようだ。彼女の中の何かがそれを出すのを拒んでいるのだろう。
おそらく、間違えたのだろう。それも、話の感じ的に割と遠距離の場所と。
私はそう考えて、ふと思ったことがある。
「あの、あなたはトイレの花子さんなんですよね?」
私の問いかけに彼女は虚をつかれたようで、一瞬、呆気にとられたようだ。
「そうだけど?」
彼女は不服そうな、かつ、猜疑心を抱いた目でこちらを見た。
「花子さんというのは、離れたとこへの瞬間移動も可能なんですか?」
「できるけど?」
即答。息付く間もなく答えが返ってきた。
「それ出来ないと全国どこでも対応出来ないじゃん?」
そんな、どこぞのお客様相談室と同じノリなのか。
「ちなみに、話で聴いた話と少し姿が違うみたいなんですけど・・・。おかっぱ頭とか、その緑の髪とか・・・」
「ショートボブね?このメッシュだってオシャレで入れてるエクステだから。知ってる?エクステ。」
ショートボブにエクステ・・・。
「いまどき、怪談だって時代に合わせて変えてかなきゃ語られないし、やってらんないのよ。わかる?」
そう言えば、以前の口裂け女のあの人もソーシャルディスタンスとか気にしてたな。
「とりあえず、こっちの間違いで連れてきちゃったみたいだし、今回は元の場所に戻したげるから。ここ立ってくれる?」
扉の前を指さす彼女の言う通りに私は扉の前に立った。
私は最後に気になっていた質問を彼女に聴いてみた。
「もしの話なんですが、私が本当に貴女を呼んでたら私はどうなっていたんですか?」
「そりゃ、場合にもよるけど、いきなり寝てるところを呼び出されたんだから、あーしだってマジおこな訳だからねぇ?目と皮と骨を神隠ってから、元の場所にポイしたよね。」
「なに?やっぱ呼んでたの?」
「いいえ!!」
花子さんから今まで聞こえていた声とは別のような金切り声で聞かれ、私は即答した。
「あっそ。じゃ、間違ってもあーしを呼んだらダメだよ?オジさん♡」
背中を押されると、私は会社の洗面台の前に立っていた。
無事戻ってこれた事に安堵し、私はトイレから出た。廊下を抜け、デスクに戻り、隣りに座っている同僚に軽く挨拶し、私は再びキーボードを打ち始めた。
ふと朝日が目に入る。一睡もしていない私の目には少し強い刺激だったが、私は気にせずキーボードを叩く。
時刻は7時30分。あの空間もしっかり時は流れていた。
タイムリミットは残り30分。
私の背筋はあの時の花子さんの声と同じくらい冷えきっていた。
「トイレの花子さん」
・居住空間はOLの一人暮らしのような部屋だった。
・おかっぱ頭ではなく、ショートボブ(メッシュ入り)。オシャレにも気を使っているらしい。
・時間帯によって神隠られる。
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