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しおりを挟む「ゃっ……そんな汚いところ……!」
フィランはエリーシャの足の先に口付ける。
そして擦り剥いた足の裏に自身の柔らかい唇を優しく押し当てるようにした後傷口を舐めた。
「フィラン様だめ……!!」
いやいやをするエリーシャだったがフィランはそれを聞かない。
髪も手の指もすべて口付けられた。
彼の触れていないところはあと一つだけ。
身体中に甘い痺れを与えられたエリーシャの息は熱く乱れていた。
フィランの唇は足の内側をなぞるようにして上っていき、エリーシャの白い内股で止まる。
彼の目が今どこを見ているのかがわかって、エリーシャは恥ずかしくてたまらなかった。
まだ彼に触れられてもいないのにトロトロとした蜜が奥から溢れ、花弁に絡みついているのが触って確かめなくてもよくわかる。このまま大きく足を開けば蜜は糸を引き、音がしそうなほどだ。
その時フィランはエリーシャの両膝に手を掛けた。
思わず身体が強張る。
「……フィラン様……ごめんなさ……こんな……こんな私……」
見られてしまうのが恥ずかしい。
自ら抱いてと懇願し秘所を濡らすような自分が、彼の目にどんな風に映るのかが怖かった。
するとフィランは羞恥に震えるエリーシャの目の端に滲む涙を舌で舐め取った。
「ひゃっ!!」
突然のその行動にエリーシャは驚く。
フィランは優しく目を細め、まるで“気にするな”とでも言うように小さく首を横に振った。
気持ちを言葉で伝えるのではなく身体で伝える彼はまるで竜のようだ。
フィランはエリーシャの足をゆっくりと開かせると、露わになった秘所を切ないような苦しいような顔でうっとりと見つめた後、誘われるようにして顔を埋めた。
「……あっ!あ!あぁん!!」
生まれて初めての感触にエリーシャは背中を仰け反らせた。
「やっ!やぁん!フィラン様!フィラン様!!」
フィランは蜜を纏って光る花弁に大きく舌を這わせ、溢れる蜜を舐め取って行く。
そして溢れた分をすべて飲み込むと、今度はぷっくりと赤く潤む小さな花芽を舌先で上下に弾きながら前歯で優しく擦った。
「ひぅ……!!だめ……それだめ…ぇ…!!」
目の前で光がバチバチと散り、花芯が小さく痙攣したように震える。
何も挿入っていないのに、何かを押し出すようにうねる媚肉。
(……変なの……アソコ……淋しい……)
初めてなのにこんなのおかしい。
でも間違いなく物足りない。自分の中をフィランでいっぱいに埋めて欲しくてお腹の奥が疼いて仕方ない。
(……どうしてこんな気持ちに……身体もこんな事になるの……?)
相手がフィランだから?
そうだったら嬉しい。だって自分には彼しかいない。私の人生で最初で最後の人。
たとえフィラン様にとって私がそうでなかったとしても……。
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