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第二章
#22
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旅をするにあたって必要なものは何かーーー
水に食料。旅に適した装束。毛布や寝袋。
扱えるなら武器も欲しいところである。
いや、それより何よりもまずは路銀、か。
こうして考えてみると、旅にはそれなりの準備と色々なものが必要となってくるものだと、エリックは改めて痛感する。
生憎、今現在の自分は、そのどれ一つとして持ち合わせていないのだが・・・
夕暮れも間近な頃。こんな平野のど真ん中で着の身着の儘、丸腰、無一文で立ち尽くしている自分は、常識の観点から見れば相当のイカれ野郎に見えるだろう。
だが、エリックとて好きでこんな無防備状態でいるわけではない。
こうなってしまったのは、不本意中の不本意な事情があるのだ。
ふと、遠く彼方へと向けていた視線の先で、土煙を上げながら近付いてきた何かが見える。
相当遠方にいるはずだというのに、その人影は見る見るうちに近付いてくるあたり、物凄い速さであることが理解出来た。
そして、人物的特徴がよく見て取れる距離まで来たところで急停止をかけるーーーが、殺しきれない勢いのまま地を滑るように接近してくる。
ようやく立ち止まったのは、エリックが間合いと呼ぶ、安全圏内に踏み入るぎりぎりのところだった。
「たっだいまー!」
底抜けに明るい声と表情で帰還を告げる。
「・・・」
それに対してエリックは、不機嫌極まりない眼差しと無言で迎え受けた。
水に食料。旅に適した装束。毛布や寝袋。
扱えるなら武器も欲しいところである。
いや、それより何よりもまずは路銀、か。
こうして考えてみると、旅にはそれなりの準備と色々なものが必要となってくるものだと、エリックは改めて痛感する。
生憎、今現在の自分は、そのどれ一つとして持ち合わせていないのだが・・・
夕暮れも間近な頃。こんな平野のど真ん中で着の身着の儘、丸腰、無一文で立ち尽くしている自分は、常識の観点から見れば相当のイカれ野郎に見えるだろう。
だが、エリックとて好きでこんな無防備状態でいるわけではない。
こうなってしまったのは、不本意中の不本意な事情があるのだ。
ふと、遠く彼方へと向けていた視線の先で、土煙を上げながら近付いてきた何かが見える。
相当遠方にいるはずだというのに、その人影は見る見るうちに近付いてくるあたり、物凄い速さであることが理解出来た。
そして、人物的特徴がよく見て取れる距離まで来たところで急停止をかけるーーーが、殺しきれない勢いのまま地を滑るように接近してくる。
ようやく立ち止まったのは、エリックが間合いと呼ぶ、安全圏内に踏み入るぎりぎりのところだった。
「たっだいまー!」
底抜けに明るい声と表情で帰還を告げる。
「・・・」
それに対してエリックは、不機嫌極まりない眼差しと無言で迎え受けた。
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