生き血を吸いたい私と死にたい君と

彼と会う日

私はボクシングやK-1等の試合を見るのは好きじゃなかった。


相手を傷付ける暴力は
見ていて心が痛かった。



女性は力も立場も弱い。


だから娘には自分を護れる技術を持たせたいと前々から思っていた。





彼『これは日曜日の九州大会ですね。
友人が応援に来てくれてて300mmで撮ってもらいました笑笑』

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DMに大会の試合の動画が送られてきて、見ると
彼は美しく力強い動きで、まるでステージで舞っているかのように軽やかに動いていた。




なんて美しい…。



私『凄い‼️九州大会だったの！？✨
何と言う力…‼️
普通の人ならぶっ飛ぶやろ…あの力は。

いやもう…
智也くんカッコ良すぎて😅💞

蹴った後の素早い構えとか、
素敵過ぎるやろ💦』




構えや、一つ一つの所作の後に取る動きが綺麗で、見れば見る程
この武術を次女にも習わせたいと思ったし、彼の事も知りたいと思った。



彼『少林寺拳法ですね😳

後輩とかからは恐ろしいとかしか言われないので嬉しいです笑笑

僕の友達の女の子で上手な子の演武の動画もらってきましょうか？？』



私『それはぜひ見たい✨☺️💓

次女にも自身を守れる力を持たせたい🤔本当に。

あぁもう、惚れたわ💗』



学生さんで、何をしても若く美しい20代。




関わりも接点もないアラフォー主婦な私にとって、
キラキラ輝く大学生は眩しい。
遠い昔に過ぎ去っていった時代
。





そんな彼が、
社交辞令のように入れてきた
メッセージに
私の指がピタリと止まった…。



彼『まーさちゃんなら誰でも守ってくれそうですけどね




お母様は僕が守ります』






彼から送られてきた
初めて見る口説き文句に
胸が締め付けられる気持ちになった。





守る
 




美人だとか、
写真が素敵だとか、


そういった誉め言葉で
近寄ろうとする人は
正直何人もいた。



だけど
やり取りはその瞬間は楽しくて暇潰しになるけれど



何か心が満たされるもを感じなかった。



だから、
会おうと言われても
会いましょうねと答えても
、
最後の一歩が出るタイミングは合わなかった。


それは子供達を守る事、
ただ1人がむしゃらになって生きている私にとって、




ただの性欲を満たしたいだけの男性の本能丸出しの興味に付き合うのはうんざりだと思っていたからだ。



私の心の奥底にある
悲しい傷みを隠した開かずの扉。



彼の言葉は真っ直ぐに




ガチャリと鍵を回したようだった。








そのメッセージをくれた日から
２週間後に


彼は私を抱き締める事になる。








次に続く【心の距離】