6 / 23
第二章 吉原
.
しおりを挟む
二、
「どうでした、吉原は」
お沙が訊いた。
真夜中である。
冷えた空気が辺りに張りつめている。
お沙は行燈の灯りで絵筆の手入れをしていた。
与四郎の帰りを寝ずに待っていたのである。
「どう、とは?」
「遊女の髪はいただけることになったのですか」
与四郎は、絵筆を持つお沙の手元を見つめている。
「それがなぁ、お沙。聞いておくれよ」
「聞きますとも」
お沙はどこか素っ気ない。
「今日、会いに行った太夫がな、おれの筆を持っていて、大変気に入ってくれていてな」
「へぇ」
「おれは本当のことを言ったのだ。筆をつくるために、女の髪が欲しいと。そうしたらな――」
ずい、と与四郎は身を乗り出した。
「このような素晴らしい筆に、自分の髪を使ってくれるのなら喜んで差し出すと――」
「それで、どうなりました」
「しかしなぁ、軽い条件付きでな。わたしの髪を使うのなら、わたしだけの筆をつくれと言うのだよ。あ、遊女であるから、わたしではなくて、あちきというのだが――」
ここで初めて、お沙は与四郎の顔を見た。
「髪をいただけるということですね?」
「あ、ああ――お沙、さっきからどうも冷たくはないか? なにか気に食わないことでもあったのか?」
「そういうわけでは――」
「おれが吉原に行ったことか? 別に、女を買いに行ったわけではないし、吉原一の太夫がおれのような、しがない職人の相手をしてくれるはずがないだろう」
お沙は与四郎の瞳の奥を見つめる。
「――良吉さんやお京ちゃんに迷惑をかけてまで、そこまでして筆をつくらねばなりませんか」
「なにを言っている。おれらは筆をつくってゆかねばならないのだぞ」
「なんのために?」
「われらの技術を絶やさないためだ。守るためだよ」
「では、その技術とは? なにを守るのですか」
「それは――」
与四郎は言葉に詰まる。
「筆をつくることに必死になりすぎです。筆をつくることだけが大切なのですか。金のために筆をつくるというのなら、わたしはもう、あなたと一緒には居られません」
「お沙、そこまで言うことはないだろう。この機会を逃せば、もう筆がつくれなくなってしまうんだぞ」
「遊女に頼らなければ、つくれない筆を?」
「頼る?」
与四郎は声を鋭くした。
「そうです。筆をつくるために、ずっと吉原に通われるおつもりですか。吉原の女の髪を切りつくしたら、次は品川にでもゆくのですか」
「違う!」
大声を出す。夫の声に、お沙は肩をびくりとさせる。
「おれは、家のために、お前のために必死なのだ! お前のためなのだお沙!」
与四郎はお沙の傍に寄り、その肩をつかむ。
「おれが筆をつくらないで誰がつくる? 生きてゆくには金が要るのだ。死んだ吉井のためにも、技を教えてくれた義父のためにも! なんとかして生活してゆかねばならない!」
「自分を苦しめてまで、筆をつくるなんて、もう終わりにしましょう」
眼に涙を浮かべて、声を震わせる。
「なにを言う」
「あなたがそんなになってしまって、わたしは耐えられません。もうよろしいでしょう。ふたりで、終わりにしましょう」
涙がひと粒こぼれた。
「――おれはお前を死なすわけにはゆかない。お前がどんなにおれのことを嫌っても、おれはお前のために生きるのだ」
「どうして――」
「お前を好いているからだ。お前に惚れているからだ」
「―――」
与四郎の想いに、お沙は言葉が出ない。
「なんと言おうと、おれはお前のために生きる。そのためにはなんでもする。たとえ、お前に嫌われるようなことになっても、おれはお前のためになんでもする」
お沙は手で顔を覆い、声を押し殺して泣く。
「これからも筆がつくれるのか、いまが踏ん張り時なのだ。判ってくれるね、お沙」
「―――」
「つらいのは、つらいのはいまだけだ、我慢しておくれ」
お沙は涙をこぼして頷いた。
涙で、筆が濡れた。
三、
与四郎はさっそく吉原に通った。お京と一緒だった。
「この、月と牡丹の筆はほんに素晴らしい。次は、桜の絵を入れてほしい。桜と闇に浮かぶ満月を入れてほしい」
観月は言った。やはり、月にこだわっているようだ。
先日の、観月の部屋である。
観月は、長い髪をひとつにまとめ、背に流している。
櫛も簪も、なにも装飾されていない遊女の髪。
化粧も着物も、控えめであるが、全身から上品さが溢れている。
――これが吉原一の太夫か
与四郎はつい、見惚れてしまった。
「お姉さま、どれくらい切っても平気ですか」
お京が、観月の髪を梳きながら言った。
「どれくらい入り用でおすか」
お京が与四郎を見る。
「えっと――どれくらいなら切っても平気でしょう」
「入り用な分、持ってゆきなんし」
「それでは、観月さんのお仕事に差し支えない、ぎりぎりのところを」
「そうか」
「ひとつ、申しあげておくことがございます」
「なんじゃ」
「質です」
「質?」
「髪で筆をつくることは可能ですが、出来あがったものの質が、どのようになるのか判りません。ただ、つくることは可能、ということです」
「なるほど。とにかく、ぬしに任せるとしんしょう――」
「観月さん」
与四郎が、観月の髪を梳いているお京の隣に座った。
「おいやでなければ、すこし髪に触れてもよろしいでしょうか」
「あちきはぬしに任せたのでおす。ぬしが入り用だと思うことをしてくんなんし」
「判りました。ありがとうございます」
与四郎はお京に向き、
「じゃあ、ちょっといいかな」
「はい」
お京が一旦退いた。
与四郎は観月の真後ろに座り、その髪に触れる。
最初は毛先。
掌に髪を乗せ、反対の手で丁寧に撫でる。
触れている箇所を、だんだんと上へずらしてゆく。
長く、黒く、しっとりとして、ほどよい硬さもある。
次に、指で梳いてみる。
与四郎の指に絡んで解ける。
どこも傷みは無い。
みずみずしいほどの艶を放っている。
与四郎は、つい、妻の髪と比べていた。
妻の髪も美しいが、この吉原の遊女には適わない。
もう一度、撫でる。
梳く。
絡む。
解ける。
与四郎は真剣に髪を吟味している。
お京はその様子をじっと見つめ、観月は眼を閉じて身を任せている。
ふいに、ほう、と息を吐いた。
遊女の紅い唇から幽かに漏れたその声に、与四郎は手を止めた。
観月もゆっくりと眼を開ける。
「――どうでありんしょう、あちきの髪は。良い筆ができそうでおすか」
「はい、とても素晴らしい。どのようにされるとこんなに質の良い髪になるのでしょう」
「髪は女の命でおす。とくに、あちきら花魁は身を売っておりんすから、身だしなみにはひと一倍気を遣っておりんす」
「なるほど――」
与四郎はひと呼吸おいて、お京に言った。
「じゃあ、お京ちゃん。切ってくれるかい」
「えぇ。どれほど」
「そうだね――」
すこし考え、
「これほどであれば、普通に髪を結えるだろう」
適当な部分を指差した。
お京が髪を切り、与四郎がそれを丁寧に懐紙、風呂敷の順で包む。
「観月さんの御髪、しかと頂戴しました」
自分の座についている観月に、与四郎は頭を下げる。
「どれくらいで出来あがりんすか」
「軸に絵を入れねばなりませんので、ひと月はお待ちいただくかと」
「判りんした。待ちましょう」
「では、これで失礼いたします」
もう一度、頭を下げてお京と退出しようとした。観月がそれへ、
「待ちなんし」
声をかけた。
「なんでしょう」
「筆が出来あがるまで、ここへは来ねえでおすか」
「――は?」
「いや、筆をつくるのはぬしの仕事でありんしょうが、絵を入れるのはご新造さんの仕事でありんしょう? ならば、ご新造さんが絵を入れている間、ぬしは息抜きにここへ来られてはどうかと――」
「―――」
なにを言っているのだ、この遊女は。
与四郎はそう思ったが、その言葉を飲み込んだ。
「確かに、作業は夫婦で割りあてておりますが、やはり、ふたりで筆をつくっております。妻の仕事を見守らなければ。いままでもこれからも、やり方は変えません。次にお会いする時は、依頼の筆が出来あがった時です」
与四郎は言い切った。
吉原へは女を買いに来たのではない――
「そう‥‥でおすな。つまらぬことを言いんした。お忘れになってくんなんし」
観月は眼を伏せた。
「――では、失礼いたします」
与四郎とお京は、静かに退出した。
「どうでした、吉原は」
お沙が訊いた。
真夜中である。
冷えた空気が辺りに張りつめている。
お沙は行燈の灯りで絵筆の手入れをしていた。
与四郎の帰りを寝ずに待っていたのである。
「どう、とは?」
「遊女の髪はいただけることになったのですか」
与四郎は、絵筆を持つお沙の手元を見つめている。
「それがなぁ、お沙。聞いておくれよ」
「聞きますとも」
お沙はどこか素っ気ない。
「今日、会いに行った太夫がな、おれの筆を持っていて、大変気に入ってくれていてな」
「へぇ」
「おれは本当のことを言ったのだ。筆をつくるために、女の髪が欲しいと。そうしたらな――」
ずい、と与四郎は身を乗り出した。
「このような素晴らしい筆に、自分の髪を使ってくれるのなら喜んで差し出すと――」
「それで、どうなりました」
「しかしなぁ、軽い条件付きでな。わたしの髪を使うのなら、わたしだけの筆をつくれと言うのだよ。あ、遊女であるから、わたしではなくて、あちきというのだが――」
ここで初めて、お沙は与四郎の顔を見た。
「髪をいただけるということですね?」
「あ、ああ――お沙、さっきからどうも冷たくはないか? なにか気に食わないことでもあったのか?」
「そういうわけでは――」
「おれが吉原に行ったことか? 別に、女を買いに行ったわけではないし、吉原一の太夫がおれのような、しがない職人の相手をしてくれるはずがないだろう」
お沙は与四郎の瞳の奥を見つめる。
「――良吉さんやお京ちゃんに迷惑をかけてまで、そこまでして筆をつくらねばなりませんか」
「なにを言っている。おれらは筆をつくってゆかねばならないのだぞ」
「なんのために?」
「われらの技術を絶やさないためだ。守るためだよ」
「では、その技術とは? なにを守るのですか」
「それは――」
与四郎は言葉に詰まる。
「筆をつくることに必死になりすぎです。筆をつくることだけが大切なのですか。金のために筆をつくるというのなら、わたしはもう、あなたと一緒には居られません」
「お沙、そこまで言うことはないだろう。この機会を逃せば、もう筆がつくれなくなってしまうんだぞ」
「遊女に頼らなければ、つくれない筆を?」
「頼る?」
与四郎は声を鋭くした。
「そうです。筆をつくるために、ずっと吉原に通われるおつもりですか。吉原の女の髪を切りつくしたら、次は品川にでもゆくのですか」
「違う!」
大声を出す。夫の声に、お沙は肩をびくりとさせる。
「おれは、家のために、お前のために必死なのだ! お前のためなのだお沙!」
与四郎はお沙の傍に寄り、その肩をつかむ。
「おれが筆をつくらないで誰がつくる? 生きてゆくには金が要るのだ。死んだ吉井のためにも、技を教えてくれた義父のためにも! なんとかして生活してゆかねばならない!」
「自分を苦しめてまで、筆をつくるなんて、もう終わりにしましょう」
眼に涙を浮かべて、声を震わせる。
「なにを言う」
「あなたがそんなになってしまって、わたしは耐えられません。もうよろしいでしょう。ふたりで、終わりにしましょう」
涙がひと粒こぼれた。
「――おれはお前を死なすわけにはゆかない。お前がどんなにおれのことを嫌っても、おれはお前のために生きるのだ」
「どうして――」
「お前を好いているからだ。お前に惚れているからだ」
「―――」
与四郎の想いに、お沙は言葉が出ない。
「なんと言おうと、おれはお前のために生きる。そのためにはなんでもする。たとえ、お前に嫌われるようなことになっても、おれはお前のためになんでもする」
お沙は手で顔を覆い、声を押し殺して泣く。
「これからも筆がつくれるのか、いまが踏ん張り時なのだ。判ってくれるね、お沙」
「―――」
「つらいのは、つらいのはいまだけだ、我慢しておくれ」
お沙は涙をこぼして頷いた。
涙で、筆が濡れた。
三、
与四郎はさっそく吉原に通った。お京と一緒だった。
「この、月と牡丹の筆はほんに素晴らしい。次は、桜の絵を入れてほしい。桜と闇に浮かぶ満月を入れてほしい」
観月は言った。やはり、月にこだわっているようだ。
先日の、観月の部屋である。
観月は、長い髪をひとつにまとめ、背に流している。
櫛も簪も、なにも装飾されていない遊女の髪。
化粧も着物も、控えめであるが、全身から上品さが溢れている。
――これが吉原一の太夫か
与四郎はつい、見惚れてしまった。
「お姉さま、どれくらい切っても平気ですか」
お京が、観月の髪を梳きながら言った。
「どれくらい入り用でおすか」
お京が与四郎を見る。
「えっと――どれくらいなら切っても平気でしょう」
「入り用な分、持ってゆきなんし」
「それでは、観月さんのお仕事に差し支えない、ぎりぎりのところを」
「そうか」
「ひとつ、申しあげておくことがございます」
「なんじゃ」
「質です」
「質?」
「髪で筆をつくることは可能ですが、出来あがったものの質が、どのようになるのか判りません。ただ、つくることは可能、ということです」
「なるほど。とにかく、ぬしに任せるとしんしょう――」
「観月さん」
与四郎が、観月の髪を梳いているお京の隣に座った。
「おいやでなければ、すこし髪に触れてもよろしいでしょうか」
「あちきはぬしに任せたのでおす。ぬしが入り用だと思うことをしてくんなんし」
「判りました。ありがとうございます」
与四郎はお京に向き、
「じゃあ、ちょっといいかな」
「はい」
お京が一旦退いた。
与四郎は観月の真後ろに座り、その髪に触れる。
最初は毛先。
掌に髪を乗せ、反対の手で丁寧に撫でる。
触れている箇所を、だんだんと上へずらしてゆく。
長く、黒く、しっとりとして、ほどよい硬さもある。
次に、指で梳いてみる。
与四郎の指に絡んで解ける。
どこも傷みは無い。
みずみずしいほどの艶を放っている。
与四郎は、つい、妻の髪と比べていた。
妻の髪も美しいが、この吉原の遊女には適わない。
もう一度、撫でる。
梳く。
絡む。
解ける。
与四郎は真剣に髪を吟味している。
お京はその様子をじっと見つめ、観月は眼を閉じて身を任せている。
ふいに、ほう、と息を吐いた。
遊女の紅い唇から幽かに漏れたその声に、与四郎は手を止めた。
観月もゆっくりと眼を開ける。
「――どうでありんしょう、あちきの髪は。良い筆ができそうでおすか」
「はい、とても素晴らしい。どのようにされるとこんなに質の良い髪になるのでしょう」
「髪は女の命でおす。とくに、あちきら花魁は身を売っておりんすから、身だしなみにはひと一倍気を遣っておりんす」
「なるほど――」
与四郎はひと呼吸おいて、お京に言った。
「じゃあ、お京ちゃん。切ってくれるかい」
「えぇ。どれほど」
「そうだね――」
すこし考え、
「これほどであれば、普通に髪を結えるだろう」
適当な部分を指差した。
お京が髪を切り、与四郎がそれを丁寧に懐紙、風呂敷の順で包む。
「観月さんの御髪、しかと頂戴しました」
自分の座についている観月に、与四郎は頭を下げる。
「どれくらいで出来あがりんすか」
「軸に絵を入れねばなりませんので、ひと月はお待ちいただくかと」
「判りんした。待ちましょう」
「では、これで失礼いたします」
もう一度、頭を下げてお京と退出しようとした。観月がそれへ、
「待ちなんし」
声をかけた。
「なんでしょう」
「筆が出来あがるまで、ここへは来ねえでおすか」
「――は?」
「いや、筆をつくるのはぬしの仕事でありんしょうが、絵を入れるのはご新造さんの仕事でありんしょう? ならば、ご新造さんが絵を入れている間、ぬしは息抜きにここへ来られてはどうかと――」
「―――」
なにを言っているのだ、この遊女は。
与四郎はそう思ったが、その言葉を飲み込んだ。
「確かに、作業は夫婦で割りあてておりますが、やはり、ふたりで筆をつくっております。妻の仕事を見守らなければ。いままでもこれからも、やり方は変えません。次にお会いする時は、依頼の筆が出来あがった時です」
与四郎は言い切った。
吉原へは女を買いに来たのではない――
「そう‥‥でおすな。つまらぬことを言いんした。お忘れになってくんなんし」
観月は眼を伏せた。
「――では、失礼いたします」
与四郎とお京は、静かに退出した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
ホラー
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。
百合カップルになれないと脱出できない部屋に閉じ込められたお話
黒巻雷鳴
ホラー
目覚めるとそこは、扉や窓の無い完全な密室だった。顔も名前も知らない五人の女性たちは、当然ながら混乱状態に陥る。
すると聞こえてきた謎の声──
『この部屋からの脱出方法はただひとつ。キミたちが恋人同士になること』
だが、この場にいるのは五人。
あふれた一人は、この部屋に残されて死ぬという。
生死を賭けた心理戦が、いま始まる。
※無断転載禁止
人形の輪舞曲(ロンド)
美汐
ホラー
オカルト研究同好会の誠二は、ドSだけど美人の幼なじみーーミナミとともに動く人形の噂を調査することになった。
その調査の最中、ある中学生の女の子の異常な様子に遭遇することに。そして真相を探っていくうちに、出会った美少女。彼女と人形はなにか関係があるのか。
やがて誠二にも人形の魔の手が迫り来る――。
※第1回ホラー・ミステリー小説大賞読者賞受賞作品
音のしない部屋〜怪談・不思議系短編集
ねぎ(ポン酢)
ホラー
短編で書いたものの中で、怪談・不思議・ホラー系のものをまとめました。基本的にはゾッとする様なホラーではなく、不思議系の話です。(たまに増えます)※怖いかなと思うものには「※」をつけてあります
(『stand.fm』にて、AI朗読【自作Net小説朗読CAFE】をやっております。AI朗読を作って欲しい短編がありましたらご連絡下さい。)
ルッキズムデスゲーム
はの
ホラー
『ただいまから、ルッキズムデスゲームを行います』
とある高校で唐突に始まったのは、容姿の良い人間から殺されるルッキズムデスゲーム。
知力も運も役に立たない、無慈悲なゲームが幕を開けた。
都市伝説ガ ウマレマシタ
鞠目
ホラー
「ねえ、パトロール男って知ってる?」
夜の8時以降、スマホを見ながら歩いていると後ろから「歩きスマホは危ないよ」と声をかけられる。でも、不思議なことに振り向いても誰もいない。
声を無視してスマホを見ていると赤信号の横断歩道で後ろから誰かに突き飛ばされるという都市伝説、『パトロール男』。
どこにでもあるような都市伝説かと思われたが、その話を聞いた人の周りでは不可解な事件が後を絶たない……
これは新たな都市伝説が生まれる過程のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる