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クロ
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黒猫だから、クロと呼んだ。アパートの近所の公園によく現れる子で、人懐こく、地域猫として、私も含め近所の方から餌をもらって元気に生きていた。幸い、うちの近所には猫のエサやりに文句を言う人はいなくて、私は会社帰りに、クロに餌をあげてから家に帰るのを日課にしていた。
その日は、いつものところにクロがいなくて、今日はフラれたかとアパートに向っていたとき、誰もいない公園の真ん中にそれを見つけた。
「クロ?」
最初はクロが怪我をして倒れているだけだと思っていたが、違った。首がなかった。何かで切断されたらしく、首のない黒猫の遺体が無残に公園の真ん中に放置されていた。
「なっ」
驚いた私は、少し後退ったが、ふと、視界の隅で人影を見た。コンビニ袋を提げて、しかも、ナイフを手にしているのが見えた。
直感で、そのコンビニ袋にクロの首が入っていると思った。
ものすごい形相をしていたと思う。反射的にそいつを逃がしてはダメだと突進していた。
「ひっ!」
ナイフを手にしているのに、その人影の方がひるんで、慌てて逃げ出した。
もちろん、逃がすかと追いかけた。
そいつは、通りすがりの男性に助けを求めた。
「た、助けてくれ、殺される」
多分、私は本当に相手を殺しそうな形相で追っかけていた。
「そ、そいつが、クロを、猫を殺したの!」
咄嗟に私は叫んでいた。そして、助けを求められた男性は、男の手にしているナイフとコンビニ袋を見た。
「ちょっとその中身を見せてくれ」
彼はそいつのコンビニ袋の中身を確認しようとした。だが、外から見ても赤く汚れた何かが入っているのは確かだった。そして、そいつが抵抗して中身を見せようとしなかった瞬間、彼は、隠し持っていた金づちでそいつの頭を殴った。
近所の人たちが騒ぎに気づいて、警察に通報して、彼は捕まった。まず、猫殺しの犯人は、少し離れた場所に住む男で、仕事のストレスを発散させるため、猫を惨殺していたが、近所に猫がいなくなり、飼い猫は飼い主が猫を外に出さないようにしたため、ここらまで遠征に来て、人懐こいクロを襲い、またその犯人を金づちで殴った男性は、以前、その犯人に飼い猫をやられて、犯人が少し離れた場所に遠征していると読んでここまで来て、やっと犯人と出くわして、金づちで殴り倒したということだった。
私は犯人を追いかけただけで、何の罪にもならなかったが、猫殺しを殴った彼は、やり過ぎの暴行犯として捕まったが、私は、飼い猫の復讐をした彼に同情して、前科者になった彼と付き合い、猫と一緒に住んでも問題ない一軒家を借りて、彼と結婚した。
それからすぐに、うちに黒い子猫が迷い込んで来て、うちで保護することにしたが、その子は、クロのようにとても人懐こいいい子だった。もしかしたら、クロの生まれ変わりかもしれない。
その日は、いつものところにクロがいなくて、今日はフラれたかとアパートに向っていたとき、誰もいない公園の真ん中にそれを見つけた。
「クロ?」
最初はクロが怪我をして倒れているだけだと思っていたが、違った。首がなかった。何かで切断されたらしく、首のない黒猫の遺体が無残に公園の真ん中に放置されていた。
「なっ」
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直感で、そのコンビニ袋にクロの首が入っていると思った。
ものすごい形相をしていたと思う。反射的にそいつを逃がしてはダメだと突進していた。
「ひっ!」
ナイフを手にしているのに、その人影の方がひるんで、慌てて逃げ出した。
もちろん、逃がすかと追いかけた。
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「た、助けてくれ、殺される」
多分、私は本当に相手を殺しそうな形相で追っかけていた。
「そ、そいつが、クロを、猫を殺したの!」
咄嗟に私は叫んでいた。そして、助けを求められた男性は、男の手にしているナイフとコンビニ袋を見た。
「ちょっとその中身を見せてくれ」
彼はそいつのコンビニ袋の中身を確認しようとした。だが、外から見ても赤く汚れた何かが入っているのは確かだった。そして、そいつが抵抗して中身を見せようとしなかった瞬間、彼は、隠し持っていた金づちでそいつの頭を殴った。
近所の人たちが騒ぎに気づいて、警察に通報して、彼は捕まった。まず、猫殺しの犯人は、少し離れた場所に住む男で、仕事のストレスを発散させるため、猫を惨殺していたが、近所に猫がいなくなり、飼い猫は飼い主が猫を外に出さないようにしたため、ここらまで遠征に来て、人懐こいクロを襲い、またその犯人を金づちで殴った男性は、以前、その犯人に飼い猫をやられて、犯人が少し離れた場所に遠征していると読んでここまで来て、やっと犯人と出くわして、金づちで殴り倒したということだった。
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