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本物
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「マジで、本物だって、おまえだって、亡くした奥さんに久しぶりに会いたいだろ。マジで、会えるから」
「おいおい、死んだ人間を呼びだせるわけがないだろ。お前、騙されてるんだよ。どうせ、高い金が要るんだろ」
「マジで、高い金出す価値はあるって」
友人は真剣だった。だが、俺には、友人が、そのインチキ霊媒師に騙されて大金を巻き上げられたとしか思えない。そして、こいつを利用して、俺からも金を巻き上げるつもりなんだろうが、そうはいかない。
「いいか、よく聞けよ。占い師と一緒だって、相手を見て、言ってほしそうな言葉をそれっぽく口にしてるだけだって。死んだ人間が身体に降りて来たみたいなフリをしてるだけだって」
「いいから、騙されたと思って会ってみろよ。依頼料は俺が代わりに出してやるから、本物だと信じたら俺に金を返すでいいから。それなら、いいだろ?」
「わかったよ、そこまで言うのなら会ってやるよ。本物じゃなかったら、俺は一銭も出さないから」
「ああ、いいぜ。きっと本物と認めて、俺に金を渡すさ」
自信満々の友人に案内されて、出会ったのは、薄汚いアパートの一室で、巫女服を着た婆さんだった。
「死んだ奥さんに会いたいんだってね」
「あ、ああ・・・」
友人から依頼内容を聞いているのか、その婆さんは、俺から詳しいことは聞かずに、俺と二人きりになると何かブツブツと唱え始めた。
「あ、あなた、久しぶり、また、会えるなんて」
「ん、ああ・・・」
婆さんの口から出て来た言葉に適当に相槌を打つ。
「やっぱり、偽物か・・・本物なら、俺に久しぶりとか言う前に恨み言が出て来るだろ」
「恨み言? でも、あなた、今、私の生命保険で楽しくやってるんでしょ、あなたが幸せなら、私はいいわ」
「おい、マジで、俺を恨んでいないというつもりか?」
「そうよ。それも愛でしょ」
「な・・・」
俺は言葉に詰まった、確かに、彼女なら、俺が保険金目当てで殺したとしても、愛しているから許すと言いそうだと思った。
「こうして、久しぶりに会えただけで、私は満足」
その婆さんが、愛おしそうに俺に手を伸ばしてきたので、思わず俺は、その婆さんの首を絞めた。そして、俺は、妻の保険金殺人では捕まらなかったが、その霊媒師の婆さん殺害で逮捕された。
「おいおい、死んだ人間を呼びだせるわけがないだろ。お前、騙されてるんだよ。どうせ、高い金が要るんだろ」
「マジで、高い金出す価値はあるって」
友人は真剣だった。だが、俺には、友人が、そのインチキ霊媒師に騙されて大金を巻き上げられたとしか思えない。そして、こいつを利用して、俺からも金を巻き上げるつもりなんだろうが、そうはいかない。
「いいか、よく聞けよ。占い師と一緒だって、相手を見て、言ってほしそうな言葉をそれっぽく口にしてるだけだって。死んだ人間が身体に降りて来たみたいなフリをしてるだけだって」
「いいから、騙されたと思って会ってみろよ。依頼料は俺が代わりに出してやるから、本物だと信じたら俺に金を返すでいいから。それなら、いいだろ?」
「わかったよ、そこまで言うのなら会ってやるよ。本物じゃなかったら、俺は一銭も出さないから」
「ああ、いいぜ。きっと本物と認めて、俺に金を渡すさ」
自信満々の友人に案内されて、出会ったのは、薄汚いアパートの一室で、巫女服を着た婆さんだった。
「死んだ奥さんに会いたいんだってね」
「あ、ああ・・・」
友人から依頼内容を聞いているのか、その婆さんは、俺から詳しいことは聞かずに、俺と二人きりになると何かブツブツと唱え始めた。
「あ、あなた、久しぶり、また、会えるなんて」
「ん、ああ・・・」
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「やっぱり、偽物か・・・本物なら、俺に久しぶりとか言う前に恨み言が出て来るだろ」
「恨み言? でも、あなた、今、私の生命保険で楽しくやってるんでしょ、あなたが幸せなら、私はいいわ」
「おい、マジで、俺を恨んでいないというつもりか?」
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その婆さんが、愛おしそうに俺に手を伸ばしてきたので、思わず俺は、その婆さんの首を絞めた。そして、俺は、妻の保険金殺人では捕まらなかったが、その霊媒師の婆さん殺害で逮捕された。
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