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短期バイト
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夏の終わりには、毎年、短期バイトで廃墟の清掃バイトに入る。日給で万単位のバイト代が入るおいしいバイトだった。
廃墟に勝手に入り込んで住み着く浮浪者や、勝手に入って使用済みのコンドームを捨てていくバカとかそういうやつらが多いので、毎年、建物の所有者がバイトを雇ってそれらのゴミを片付けるのだ。ただ、ゴミとはいっても、浮浪者が食事の準備をして、そのまま放置した感じのゴミや、まだ新しいリュックや懐中電灯など落ちていたり、何か怖いものを見て慌てて逃げ出したようなゴミも多くあった。だが、バイトが清掃するのは明るい昼間なので、きちんとゴム手袋をして、廃墟特有の匂いを我慢すれば引っ越しのような力仕事と比べれば楽なおいしいバイトだった。
だが、毎年、これをやっているフリーターは俺ぐらいで、いくらバイト代が良くても、みんな一回やればうんざりするようで、顔なじみはいない。
そして、俺も、今年、とても暑いせいで異様に廃墟の中が臭くて、嫌な予感がしつつ廃墟に入って首つり死体を発見してしまったので、来年の夏の終りは別のバイトをしようとは思っている。
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