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浮気の証拠写真
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「あんた、この女、誰よ」
「あ? なんだよ、急に」
突きつけられたスマホの画面を覗き込む。駅前のカフェで、俺があの子と会っているところがばっちり写っていた。
「ああ、この子か」
「なによ、誰、この女は」
「誰が撮ったんだ、こんなの」
あの駅前のカフェは俺たちの生活圏だから、共通の知り合いの誰かが、ふと見かけて咄嗟に撮り、浮気の現場写真だとお節介にも彼女に送ったのだろう。
スマホで簡単に撮れて、気軽に画像を送れるからと言って、余計なことをしてくれたものだ。
「この子は、お前の考えているような子じゃない」
「じゃ、誰よ、あんたにこんなかわいい妹さんいないでしょ」
「・・・俺たちの娘だよ」
「は?」
「タイムマシンで未来から昔の親に会いに来たんだってよ」
「タイムマシン? 本気で言ってるの?」
「未来で、俺たち両親と大ゲンカして、若い頃の俺たちはどんな感じだったのか気になって見に来たんだって」
「あんた、嘘つくなら、もう少しマシな嘘つきなさいよ」
「けど、あの子、俺たちが付き合い始めたきっかけとか色々知ってたし、なんとなく、お前にそっくりだった」
「そんなデタラメ、この私が信じると?」
「信じるさ、少なくとも、これが理由で俺たちが別れるなら、あの子は産まれない。あの子が生まれなかったとなると、あの子が過去に来ないから、この浮気現場という写真自体がなかったことになる。俺の言っていること分かるか?」
「タイムパラドックスってやつだ。たとえば、親の死を阻止するためにタイムマシンを作って、親の命を救ったら、親が助かったことでタイムマシンを作る動機が消失してタイムマシンの存在しない時間軸が生まれる。未来で、あの子に会ってみれば、俺が嘘をついていなかったって分かる」
「でもそれって、あんたと結婚して、あんたとガキを作る未来を選択するってことよね」
「そうなるが、いやか?」
「あんただけ、あの子に先に会って、わたしだけまだ会ってないの、なんかずるいと思うから、結婚してあげるわよ。あれ、プロポーズの話だったっけ?」
「ふん、そういう未来が確定してるんだろ」
「あ? なんだよ、急に」
突きつけられたスマホの画面を覗き込む。駅前のカフェで、俺があの子と会っているところがばっちり写っていた。
「ああ、この子か」
「なによ、誰、この女は」
「誰が撮ったんだ、こんなの」
あの駅前のカフェは俺たちの生活圏だから、共通の知り合いの誰かが、ふと見かけて咄嗟に撮り、浮気の現場写真だとお節介にも彼女に送ったのだろう。
スマホで簡単に撮れて、気軽に画像を送れるからと言って、余計なことをしてくれたものだ。
「この子は、お前の考えているような子じゃない」
「じゃ、誰よ、あんたにこんなかわいい妹さんいないでしょ」
「・・・俺たちの娘だよ」
「は?」
「タイムマシンで未来から昔の親に会いに来たんだってよ」
「タイムマシン? 本気で言ってるの?」
「未来で、俺たち両親と大ゲンカして、若い頃の俺たちはどんな感じだったのか気になって見に来たんだって」
「あんた、嘘つくなら、もう少しマシな嘘つきなさいよ」
「けど、あの子、俺たちが付き合い始めたきっかけとか色々知ってたし、なんとなく、お前にそっくりだった」
「そんなデタラメ、この私が信じると?」
「信じるさ、少なくとも、これが理由で俺たちが別れるなら、あの子は産まれない。あの子が生まれなかったとなると、あの子が過去に来ないから、この浮気現場という写真自体がなかったことになる。俺の言っていること分かるか?」
「タイムパラドックスってやつだ。たとえば、親の死を阻止するためにタイムマシンを作って、親の命を救ったら、親が助かったことでタイムマシンを作る動機が消失してタイムマシンの存在しない時間軸が生まれる。未来で、あの子に会ってみれば、俺が嘘をついていなかったって分かる」
「でもそれって、あんたと結婚して、あんたとガキを作る未来を選択するってことよね」
「そうなるが、いやか?」
「あんただけ、あの子に先に会って、わたしだけまだ会ってないの、なんかずるいと思うから、結婚してあげるわよ。あれ、プロポーズの話だったっけ?」
「ふん、そういう未来が確定してるんだろ」
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