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置き去り
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そこは出るという噂の廃屋で、彼に無理やり連れて来られたが、カッコいいところを見せたかったらしいが、本物のそれを見かけて、内心ビビリの彼はそれの方に私を突き飛ばして逃げ出していた。そして、廃屋から逃げ出すと止めてあった車に駆け寄った。そこに先回りしていた私に驚くことなく、
「早く、乗れ。逃げるぞ」
と彼は私を急かし、私が助手席に乗ると、急いで、車を出した。
「そんなに慌てて、どうしたの?」
「だ、だってお前だって見ただろ?」
「見たけど、その前に一言私に謝罪は?」
「あ、何だよ」
「私を置いて、自分だけさっさと逃げたことよ」
「あ、ああ、悪かった。つい気が動転したんだ」
「本当に反省してる?」
「い、いいだろ、こうして無事に逃げられたんだから」
「あんた、まさか、無事に逃げられると思ってるの」
「な、何だよ、追いかけて来るって言うのか?」
「あれは追いかけて来ないでしょうけど、私は逃がさないわよ」
「な、何だよ、だから、ちょっと気が動転しただけだって言ってるだろ」
「ちょっと? あんた、廃屋ってあちこち壊れてて、釘が飛び出て危ないんだよ」
「釘?」
「ほら、ここ、私の後頭部、あんたに突き飛ばされた時、躓いて派手に壁にぶつかって、運悪く釘が飛び出てるところに頭ぶつけちゃって、ほら、ここ、刺さってるでしょ」
「な、おい、い、痛くないのかよ」
「痛くないわよ、もう死んでるから」
「じゃ、お、お前・・・」
「肉体は、置いてきちゃった。だって、そうしないと、あなたを追いかけられないでしょ」
「お、お前、お降りろよ、俺の車から降りろよ!」
「やだ、降りるわけないじゃん。これから、楽しい死のドライブを一緒にしましょ」
「早く、乗れ。逃げるぞ」
と彼は私を急かし、私が助手席に乗ると、急いで、車を出した。
「そんなに慌てて、どうしたの?」
「だ、だってお前だって見ただろ?」
「見たけど、その前に一言私に謝罪は?」
「あ、何だよ」
「私を置いて、自分だけさっさと逃げたことよ」
「あ、ああ、悪かった。つい気が動転したんだ」
「本当に反省してる?」
「い、いいだろ、こうして無事に逃げられたんだから」
「あんた、まさか、無事に逃げられると思ってるの」
「な、何だよ、追いかけて来るって言うのか?」
「あれは追いかけて来ないでしょうけど、私は逃がさないわよ」
「な、何だよ、だから、ちょっと気が動転しただけだって言ってるだろ」
「ちょっと? あんた、廃屋ってあちこち壊れてて、釘が飛び出て危ないんだよ」
「釘?」
「ほら、ここ、私の後頭部、あんたに突き飛ばされた時、躓いて派手に壁にぶつかって、運悪く釘が飛び出てるところに頭ぶつけちゃって、ほら、ここ、刺さってるでしょ」
「な、おい、い、痛くないのかよ」
「痛くないわよ、もう死んでるから」
「じゃ、お、お前・・・」
「肉体は、置いてきちゃった。だって、そうしないと、あなたを追いかけられないでしょ」
「お、お前、お降りろよ、俺の車から降りろよ!」
「やだ、降りるわけないじゃん。これから、楽しい死のドライブを一緒にしましょ」
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