怪異の忘れ物

木全伸治

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桜禁止令

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俺が嫌いだったのは桜ではなく、桜の下で宴会をして騒ぐバカたちだった。
だから、桜の下で騒がないように公園等での屋外の宴会を規制する条例ができるように市民運動を始めたら、俺と同じように花見で騒ぐ連中に辟易している人たちの中から、桜があるからバカ騒ぎがおきるんだという考えから、日本中の桜を伐採すべきだという過激派が生まれた。彼らの活動はどんどん過激になっていき、テロのように無許可で桜の木を伐採したりする活動が横行し、俺は、そんな過激な連中に、桜を斬り倒すのはやり過ぎだと、訴えたが、俺の声は彼らに届かず、彼らの破壊行為を止めようとした桜の木の下で、裏切り者とか腑抜けとか言われながら、彼らに暴行を受けて死んだ。
そして、その俺の死を機に、屋外での宴会を禁止する条例が成立した。
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