怪異の忘れ物

あと、二発です。

「どうします？」　
「弾は、あと二発です。ご主人様が一発と、私でもう一発・・・、自決するにはちょうどいい数ですが。」
「え、逃げろですか？　残弾二発でどうやって。奴らの仲間になる前に、私と一緒に・・・、いいじゃないですか、映画でよくある結末で」
「この状況で、いまさら愛していると言われましても、それより一緒に死んでくれと言ってください。」
「使用人として、ご主人様の命令は絶対に守りますから。お願いです、ご主人様。」
「・・・・あいつらの仲間になる前に殺して欲しいのは分かります、ですが、私にご主人様を守れなかった無能な使用人として生き続けろというのは酷だと思いますが。」
「わかりました。ご主人様の命令、絶対守ります。」
「でも、努力はしますが、しくじってすぐご主人様のところに行ってしまっても怒らないでくださいね。」