怪異の忘れ物

死人に聞くな

夏休みの夜の暇つぶしとして、誰かがこっくりさんをやろうと提案した。
そんな遊び半分のこっくりさんが成功するなんて、誰が思うものか。正直、内心ではやめて欲しいとは思っていた。だが、変に反対すると勘ぐられると思い、お盆近くの夏の夜、誘われるままにみな集まって、私もそのこっくりさんに参加した。そしたら、あの子が出て来て、事件の真実をベラベラと話した。
集まっていたみんなも、正直、こっくりさんが成功するなんて思っていなかったと思う。だが、降霊が成功してしまったものは仕方ない。だから、私は、そこにいた自分以外を殺さなくてはならなくなった。せっかく、警察が事故として処理してくれたのに、聞かれた真実をバラされたら、私が殺人犯として捕まってしまうからだ。すでに一度警察を騙している、今度だってうまくいくはずだと、私は、遺体を処理した。
だが、もう大丈夫だろう。あの子の死に疑問を持って、死人に聞こうとするバカは一掃できたはずだ。