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私にしか殺せない
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私にしか犯行が不可能だという理由で、第一発見者である私に有罪判決が出た。もちろん、弁護士とともにアリバイや無罪の証拠をそろえた。しかも、検察の有罪だという証拠が、すべて状況証拠ばかりで、物的証拠はなかったのに、裁判所は私以外に犯行は不能だからという一点で有罪判決を出した。なにしろ、私に罪を擦り付けているのは、怨霊と言われる存在であり、私が彼の遺体を見つけたときには、その死顔はなにか恐ろしいものを観てしまったという表情で醜く歪んでいた。あの表情を見れば、普通の人間の仕業でないことは裁判長だって理解してくれるだろうにと思ったが、死んだ被害者がそういう表情をしていたからと裁判所が怨霊などという不確かなモノを犯人と信じるわけがなく、結果として、検察の主張通り、私を犯人と決めつけた。裁判長も私の無実の証拠から怨霊の仕業と認めるわけにはいかずに、第一発見者である私を犯人と断定し、怨霊が存在して殺人を犯せるはずがないと状況証拠だけで強引に押し切った。
裁判所も検察も怨霊などというものを認めたくないという利害が一致して、私を犯人だと断定することで怨霊などいないとしたかったようだ。もし、怨霊などを裁判所が認めたら、怨霊のせいで自分は無実だという容疑者が多量に出て来られたらたまらないのだろう。
そして、有罪判決が下った数日後、私は収監された刑務所で裁判所の認めなかった怨霊に襲われ恐怖に顔を歪めて死んだ。
裁判所も検察も怨霊などというものを認めたくないという利害が一致して、私を犯人だと断定することで怨霊などいないとしたかったようだ。もし、怨霊などを裁判所が認めたら、怨霊のせいで自分は無実だという容疑者が多量に出て来られたらたまらないのだろう。
そして、有罪判決が下った数日後、私は収監された刑務所で裁判所の認めなかった怨霊に襲われ恐怖に顔を歪めて死んだ。
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