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いつものバス停
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いつものようにバス停でバスを待つ列に並んでいたが、ふと前に並んで立っている女子校生の長い黒髪が気になった。毎朝使うバス停なので、バスに乗る乗客も大体何となく見知っていたはずだが、その長い黒髪の女子高生は初めて見るような気がした。腰まで長く、しかもよく手入れされサラサラの奇麗な黒髪だった。
もし、いつも同じバスを使っているのなら、見覚えがあるはずだったが、彼女の着ている制服も長い黒髪も見覚えがなく、つい、じっとその後ろ姿を観察してしまった。すると、ガクンと彼女の首が真後ろに俺の方に折れるように曲がったのだ。「ひっ!」と俺は悲鳴を上げそうになったが、直角に首を曲げて顔を真後ろに向けた彼女は、後ろに立っていた俺を見すえて言った。
「ちょっとおっさん、なにじろじろ見てんの。痴漢て、叫ぼうか?」
「え、あ、ご、ごめん、その、見かけないない子だなと思って」
「見かけなければ、じろじろ見ていいの?」
「気に障ったのなら謝るよ、本当にごめん」
そう俺がその女子校生に平謝りしているとバスが来て、彼女もガクンと顔を前に戻して、何もなかったようにバスに乗り込んだ。彼女と一緒のバスに乗るのには少し抵抗があったが、このバスに乗らないと遅刻してしまうので、俺も定期で乗り込んだ。俺以外の乗客は気づかなかったのか、彼女の首が直角に曲がったのを見た乗客は他にいないようで、バスの中の雰囲気はいつもと同じだった。
が、それから俺は、少しだけバスに乗る時間を早くして、彼女に会わないようにしている。
もし、いつも同じバスを使っているのなら、見覚えがあるはずだったが、彼女の着ている制服も長い黒髪も見覚えがなく、つい、じっとその後ろ姿を観察してしまった。すると、ガクンと彼女の首が真後ろに俺の方に折れるように曲がったのだ。「ひっ!」と俺は悲鳴を上げそうになったが、直角に首を曲げて顔を真後ろに向けた彼女は、後ろに立っていた俺を見すえて言った。
「ちょっとおっさん、なにじろじろ見てんの。痴漢て、叫ぼうか?」
「え、あ、ご、ごめん、その、見かけないない子だなと思って」
「見かけなければ、じろじろ見ていいの?」
「気に障ったのなら謝るよ、本当にごめん」
そう俺がその女子校生に平謝りしているとバスが来て、彼女もガクンと顔を前に戻して、何もなかったようにバスに乗り込んだ。彼女と一緒のバスに乗るのには少し抵抗があったが、このバスに乗らないと遅刻してしまうので、俺も定期で乗り込んだ。俺以外の乗客は気づかなかったのか、彼女の首が直角に曲がったのを見た乗客は他にいないようで、バスの中の雰囲気はいつもと同じだった。
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