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ありがとう、死んでくれて
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私は彼女の葬式で派手に泣いた。いかにも親友を亡くして悲しんでいるように周り見えただろう。だが、本当はうれし泣きだった。
あんたがいなくなれば、フリーになった彼に堂々とアタックできる。しかも恋人を亡くして傷心中の彼を落すのは難しくないように思えた。
本当にありがとう。死んだあんたの分まで、幸せになってあげるからね。と私は考えていた。が、その葬式帰りの交差点で私は事故に会った。誰かに突き飛ばされて車の前に飛び出してしまった。
目撃者によると信号を無視して交差点に飛び出したということになったらしい。しかし、私は押された瞬間振り返り、死んだはずのあの女がにやりと笑っているのを見た。どうやら死にきれないあの女が私を突き飛ばしたようだった。
「良かった、死んでくれて。私一人だけだと寂しかったから」
「なっ」
「あんなに泣いてくれたんだもの、一緒に付いてきてくれるわよね」
同じ幽霊になったあの女が、私にそう言って笑い掛けていた。
あんたがいなくなれば、フリーになった彼に堂々とアタックできる。しかも恋人を亡くして傷心中の彼を落すのは難しくないように思えた。
本当にありがとう。死んだあんたの分まで、幸せになってあげるからね。と私は考えていた。が、その葬式帰りの交差点で私は事故に会った。誰かに突き飛ばされて車の前に飛び出してしまった。
目撃者によると信号を無視して交差点に飛び出したということになったらしい。しかし、私は押された瞬間振り返り、死んだはずのあの女がにやりと笑っているのを見た。どうやら死にきれないあの女が私を突き飛ばしたようだった。
「良かった、死んでくれて。私一人だけだと寂しかったから」
「なっ」
「あんなに泣いてくれたんだもの、一緒に付いてきてくれるわよね」
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