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春が来て雪が解ける
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温かくなると雪が解けるので、俺は、大型フリーザーを購入して鍵をつけ、彼女をそこに閉じ込めた。そして、冬が来て寒くなるのを待った。春、夏、秋と季節が過ぎて、ようやく冬が来て、俺はフリーザーの鍵を開けた。
思った通り、彼女は美しいままでそこにいた。
「ごめん、今年は暖冬で、少し開けるのが遅くなった」
彼女は怒るかと思ったが、優しく笑いながら俺に顔を近づけ、その冷えた唇を俺の唇と重ねた。俺も彼女の冷えた体を抱き寄せて、久しぶりのキスを堪能した。が、彼女は重ねた口から、肺の中に溜まっていた自分の冷気を俺の喉の奥に流し込んだ。ピシピシと俺の肉体の水分が凍る音が俺が最期に聞いた音だった。昔から、雪女に魅入られた男の末路は決まっているが、それでもその瞬間、俺は不幸ではなく、幸福だった。少なくとも、伝説の雪女を半年ほど独占できたのだから、悪い最期ではないと思う。
思った通り、彼女は美しいままでそこにいた。
「ごめん、今年は暖冬で、少し開けるのが遅くなった」
彼女は怒るかと思ったが、優しく笑いながら俺に顔を近づけ、その冷えた唇を俺の唇と重ねた。俺も彼女の冷えた体を抱き寄せて、久しぶりのキスを堪能した。が、彼女は重ねた口から、肺の中に溜まっていた自分の冷気を俺の喉の奥に流し込んだ。ピシピシと俺の肉体の水分が凍る音が俺が最期に聞いた音だった。昔から、雪女に魅入られた男の末路は決まっているが、それでもその瞬間、俺は不幸ではなく、幸福だった。少なくとも、伝説の雪女を半年ほど独占できたのだから、悪い最期ではないと思う。
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