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「占い師さんの顔見えないんですね」
画面に映っているのはタロットを握る女性の手元だけだった。
「相手の顔が見えると、余計な雑念が入るから、あなたの顔もこちらからは見えないようになってるわ」
「でも、声だけだったら、携帯と変わらないんじゃないですか」
「携帯だと手が使えないから、なに、気にいらない?」
「いえ、良く当たると噂の占い師さんですから、どんな顔をしているのか見たかったもので」
「そう、じゃ、何を占って欲しいの?」
「恋愛の占いが良く当たるそうで、友達の彼氏を簡単に寝取るアドバイスをして、見事に成功させたとか」
「寝取る? そんな占いしてないわよ」
「彼女、死ぬ前に、あなたのアドバイスのおかげで上手くいったと白状してましたよ」
「死ぬ前? 誰のこと言ってるの」
「私が殺した、泥棒猫の話よ。心配しなくても、あなたもその子のところに送ってあげる、あなたの後ろよ」
「え?」
片手で持てるモバイルを手に、私は、その占い師の背後にいた。
画面に映っているのはタロットを握る女性の手元だけだった。
「相手の顔が見えると、余計な雑念が入るから、あなたの顔もこちらからは見えないようになってるわ」
「でも、声だけだったら、携帯と変わらないんじゃないですか」
「携帯だと手が使えないから、なに、気にいらない?」
「いえ、良く当たると噂の占い師さんですから、どんな顔をしているのか見たかったもので」
「そう、じゃ、何を占って欲しいの?」
「恋愛の占いが良く当たるそうで、友達の彼氏を簡単に寝取るアドバイスをして、見事に成功させたとか」
「寝取る? そんな占いしてないわよ」
「彼女、死ぬ前に、あなたのアドバイスのおかげで上手くいったと白状してましたよ」
「死ぬ前? 誰のこと言ってるの」
「私が殺した、泥棒猫の話よ。心配しなくても、あなたもその子のところに送ってあげる、あなたの後ろよ」
「え?」
片手で持てるモバイルを手に、私は、その占い師の背後にいた。
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