ヒーローだって人間です

カワイイ魔法少女になりたい

失敗した。いつもは人目につかないように気をつけていたのだが、その日は、憧れの先輩が、奴らに襲われているのを見かけて、身バレするよりも助けなきゃと魔法少女に変身して、奴らと戦った。
奴らを倒し、感謝されると思ったが、先輩は、私におびえた目を向けた。
何しろ、目の前で、蛍光色の変なコスチュームを着た女が、拳で奴らをぶっ飛ばし、蹴りを入れて消滅させたのだ。唖然としない方がおかしい。
先輩は、助けた私にお礼を言うこともなく、まるでバケモノを見るような目をして、その場を逃げ出していた。
だから、私はため息をつき、私に魔法を授けた相棒面していたぬいぐるみのような妖精に奴らをぶっ飛ばしたとき以上の力を込めて拳を叩き込んで殺してしまった。
そうして、相棒の妖精を怒りに任せて殺してしまったので、学校を卒業し、二十歳になっても、私は魔法の契約が解けず、魔法少女を続けていた。
昔は、小さい女の子が、何でもできる大人に憧れて、魔法でなりたい職業の大人になるのが魔法少女だったはずだが、可愛い魔法少女は、もういなくなっていた。