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ザコ戦闘員のおかえりなさい
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今日も、ひと戦闘を終えて帰宅した。
「ただいま・・・」
「おかえりなさい、あなた・・・、お風呂にする、ご飯にする? それとも、あたし?」
「ばか、まず、風呂だよ」
俺たちは結婚して、もう四年目だが、子供がいないせいか、なんとなくまだ軽い新婚気分が長続きしていた。が、正義のヒーローにボコられて帰ってきたところへ、妻のこのノリは、ちょっとイラついた。とにかく、汗臭い戦闘員のスーツから解放されて、さっさと湯船に浸かる。
「あぁ…、いい湯だ」
正義の味方に蹴られた部分が青あざになっているが、お湯が染みるようなケガはない。爆散した上司の怪人たちに比べたら、生きて帰宅し、風呂に入れている自分は十分勝ち組だと思う。
「着替え、置いとくね」
妻が脱衣所越しに声を掛けてくる。
「ああ、悪い」
良妻だと思う。悪の組織のザコ戦闘員なんて、怪人の周りで「ヒー、ヒィー」と意味のない声を上げるだけで、すぐに正義のヒーローにボコられて撤退するだけのちんけな存在だ。
正直、将来性なんてない、それでもいいから俺と結婚したいと彼女は言ってくれた。彼女は、ネットに漫画をアップしていたら、雑誌社からオファーをもらい、現在プロの漫画家として活躍していて、ザコ戦闘員の俺の収入の方が少なく、彼女のヒモと言われても、否定できない立場だった。
あるとき、ザコ戦闘員なんかやめて、きちんと就職しようかなと彼女に相談したごとがあるが、彼女に猛烈に反対された。「ザコ戦闘員をやっているあんたと結婚したんだから、戦闘員辞めたら離婚ね」と、本気なのか冗談なのか分からない口調ではっきりとそう言い切った。
こうして、戦闘員を続けられるのも、みんな彼女のおかげだと思う。
俺って、彼女に出会えて、幸運でどうしようもなく幸せ者なんだろうな。と、俺好みの湯加減の湯船の中で考える。
「ただいま・・・」
「おかえりなさい、あなた・・・、お風呂にする、ご飯にする? それとも、あたし?」
「ばか、まず、風呂だよ」
俺たちは結婚して、もう四年目だが、子供がいないせいか、なんとなくまだ軽い新婚気分が長続きしていた。が、正義のヒーローにボコられて帰ってきたところへ、妻のこのノリは、ちょっとイラついた。とにかく、汗臭い戦闘員のスーツから解放されて、さっさと湯船に浸かる。
「あぁ…、いい湯だ」
正義の味方に蹴られた部分が青あざになっているが、お湯が染みるようなケガはない。爆散した上司の怪人たちに比べたら、生きて帰宅し、風呂に入れている自分は十分勝ち組だと思う。
「着替え、置いとくね」
妻が脱衣所越しに声を掛けてくる。
「ああ、悪い」
良妻だと思う。悪の組織のザコ戦闘員なんて、怪人の周りで「ヒー、ヒィー」と意味のない声を上げるだけで、すぐに正義のヒーローにボコられて撤退するだけのちんけな存在だ。
正直、将来性なんてない、それでもいいから俺と結婚したいと彼女は言ってくれた。彼女は、ネットに漫画をアップしていたら、雑誌社からオファーをもらい、現在プロの漫画家として活躍していて、ザコ戦闘員の俺の収入の方が少なく、彼女のヒモと言われても、否定できない立場だった。
あるとき、ザコ戦闘員なんかやめて、きちんと就職しようかなと彼女に相談したごとがあるが、彼女に猛烈に反対された。「ザコ戦闘員をやっているあんたと結婚したんだから、戦闘員辞めたら離婚ね」と、本気なのか冗談なのか分からない口調ではっきりとそう言い切った。
こうして、戦闘員を続けられるのも、みんな彼女のおかげだと思う。
俺って、彼女に出会えて、幸運でどうしようもなく幸せ者なんだろうな。と、俺好みの湯加減の湯船の中で考える。
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