ヒーローだって人間です

大宇宙開拓時代

光速を超える超空間航行技術の確立により、人類は太陽系外にテラホーミングによる、大量の生命の生存可能な惑星を開拓していた。
その惑星も、そんな地球の大資本により改良された農業惑星だった。テラホーミングによる改良で地球と同じ環境下にした惑星表面で、煙草、コーヒー豆、トウモロコシなどを、広大な大地で育てている。地表での農作業は、ほとんど、無人のロボットなどの機械任せで、地球の十倍以上の陸地をすべて農地にして、この惑星の周辺にいる人類は、無人の農作業ロボなどを統率する衛星軌道上の管理ステーションの責任者の俺一人だけだった。人工知能が発達し、人間がいなくても生産管理はできるのだが、不測の事態に備えて、俺は駐留していた。
ここでの仕事の特権は、うまいコーヒーが飲み放題なのと、他に誰もいないので、地球みたいにわざわざ分煙室にこもって、コソコソと煙草を吸わなくていいことだった。