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勇者の義務
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「誰か助けて!」
勇者を自称する以上、そんな声を聞いて助けに行かないわけにはいかない。
「おい、どこにいく」
神官のおっさんが道を外れて慌てて森の中に入って行こうとする俺を呼び止める。
「この森に近づく前に、森の魔物には、人の声を真似て誘い込み人を食らうような化け物もいるって言っただろ」
「いや、しかし、もし本当に助けを呼ぶ声だったら」
「こんな不気味な森にひとがいるかよ」
確かに、なんとなく人間界のそれとは異質な極彩色の森である。あの声を聞かなければ入りたくない森だ。
「行くならひとりで行け。犠牲は最小限に」
俺は他の女戦士や少女魔法使いを見たが、彼女たちもやめた方がいいという顔をしていて、仕方なく、独りで森の奥へと進んだ。
「誰か助けて!」
まだ聞こえる。その声を頼りに森を進む。
見えた。
綺麗な女性が、呆然とした顔で立っている。
「大丈夫ですか!」
そう呼び掛けて近づいたとき、俺は一瞬自分の体が浮いたように感じた。
穴だ。その女性の足元にはぱっくりと大きな穴があり、その中に俺は落下していた。
「うわ」
ズボッとぬるっとしたものに囲まれる。
なんだこれは。
抜け出そうともがくが周りがぬるぬるしていて出れない。
で、数時間後、女戦士と少女魔法使いに助けられて穴から救出された俺は、それの正体を見た。一種の食虫植物で、人間の女性に似た姿の茎を地上に出し、人間の声帯に似た器官を持ち、声を出し、地中の本体部分が壺のようになっていて、獲物を呼び寄せ、その養分を吸収する壺に獲物を落とすという恐ろしい化け物で、倒してみると壺の底に人間の頭蓋骨がゴロゴロしていた。
もし、俺が仲間もなく、ふらふらとひとりでこの辺りを歩いていたら、この頭蓋骨の仲間入りをしてたというわけだ。
勇者を自称する以上、そんな声を聞いて助けに行かないわけにはいかない。
「おい、どこにいく」
神官のおっさんが道を外れて慌てて森の中に入って行こうとする俺を呼び止める。
「この森に近づく前に、森の魔物には、人の声を真似て誘い込み人を食らうような化け物もいるって言っただろ」
「いや、しかし、もし本当に助けを呼ぶ声だったら」
「こんな不気味な森にひとがいるかよ」
確かに、なんとなく人間界のそれとは異質な極彩色の森である。あの声を聞かなければ入りたくない森だ。
「行くならひとりで行け。犠牲は最小限に」
俺は他の女戦士や少女魔法使いを見たが、彼女たちもやめた方がいいという顔をしていて、仕方なく、独りで森の奥へと進んだ。
「誰か助けて!」
まだ聞こえる。その声を頼りに森を進む。
見えた。
綺麗な女性が、呆然とした顔で立っている。
「大丈夫ですか!」
そう呼び掛けて近づいたとき、俺は一瞬自分の体が浮いたように感じた。
穴だ。その女性の足元にはぱっくりと大きな穴があり、その中に俺は落下していた。
「うわ」
ズボッとぬるっとしたものに囲まれる。
なんだこれは。
抜け出そうともがくが周りがぬるぬるしていて出れない。
で、数時間後、女戦士と少女魔法使いに助けられて穴から救出された俺は、それの正体を見た。一種の食虫植物で、人間の女性に似た姿の茎を地上に出し、人間の声帯に似た器官を持ち、声を出し、地中の本体部分が壺のようになっていて、獲物を呼び寄せ、その養分を吸収する壺に獲物を落とすという恐ろしい化け物で、倒してみると壺の底に人間の頭蓋骨がゴロゴロしていた。
もし、俺が仲間もなく、ふらふらとひとりでこの辺りを歩いていたら、この頭蓋骨の仲間入りをしてたというわけだ。
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